2013年にデビューしてからというもの、プレミア価格状態を維持している116710BLNR。
今における“デイトナの次のポジション”というような人気度の高さは、第一次腕時計ブーム時のエクスプローラ(14270)の姿を彷彿させます。
エクスプローラがプレミア価格だった頃、最も安かった存在こそGMTマスター2であり、定価を大きく下回るお買い得価格で売られていました。
そして、その頃不人気だったのは色付きベゼルであり、新品実勢価格では黒ベゼルより1万円程度安かったのです。
その際、GMTマスター2が不人気だった大きな要因こそ『色付きベゼル』という存在なのですが、今となってはその要素こそ高値の要因となっています。
2007年にステンレスモデルが6桁化された時から、2013年に116710BLNRが出るまでの6年間、GMTマスター2には色付きベゼルが不在となりました。
初代モデルの6542から色付きベゼルという存在こそGMTマスターシリーズのアイコンであるため、それが無くなったら「実は欲しかった」と気づく人が多くなったのです。
その結果、6年間のブランクをへて復活した色付きベゼルモデル116710BLNRは、デビュー当初からプレミア価格状態というとても人気な状態。また、かつて黒ベゼルのほうが高かったのですが、今となっては黒ベゼルより色付きベゼルのほうが30万円近く高いという状況です。
しかし、この現在の大人気モデル116710BLNRも、ちょうど一年前にあたる2016年8月頃において80万円台という相場まで下落。
一瞬116710BLNRの旬が過ぎたのかと思わせた値動きをしたものの、それは他のロレックスも同様で、2016年8月付近においてスポーツロレックスが一旦安くなるという現象があったのです。
ただ、他のロレックスが値上がりしたように2017年になるとこの116710BLNRも相場が回復。値下がり以前と同じく90万円台前半という水準まで復活しました。
それが2017年8月現在さらに値上がり状態となり、ついに100万円以上という水準なりつつあります。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の安値(楽天) |
2017年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 116710BLNR |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥959,040 | ¥1,010,000 | 50,960 | 105.31% |
今回の116710BLNRの値動きは、まさにこの10年のロレックスの値動きと共通する点があります。
2005年から2007年にかけて腕時計の相場はかなりの上昇傾向でかなり高くなっていたところ、2008年にリーマンショックが発生。一気に安くなったロレックスはロレックスブーム時よりも安い相場まで下落しました。しかし、2013年頃から回復し、その相場は2007年の状態を回復するどころか大きく超えています。
つまり116710BLNRは約1年で『値下がり⇒相場回復⇒さらに値上がり』ということを繰り返す現象となったのです。
116710BLNRは人気モデルとして注目される傾向でしたが、おそらく100万円を超えるという状態となったのは今回が始めてだと思います。
現在売られている中古の116710BLNRの多くは100万円以上という状況であり、かつてのように90万円台前半で売られている個体はありません。