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現在相場考察

予算100万円の選択肢として、オーバーシーズクロノグラフ黒文字盤

2017年8月25日更新
ヴァシュロンコンスタンタンのオーヴァーシーズ49140/423A-8886について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年7月の安値(ヤフオク)と2017年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この8年1ヶ月での変動は¥163,980だった。

オーバーシーズ クロノグラフ 49140/423A-8886についての考察(2017年8月)

オーバーシーズがデビューしたのは1996年。その際デビューしたのは35mmのミディアムと37mmのラージの2サイズで、それぞれに自動巻とクオーツムーブメントが用意されていました。

その際、実はクロノグラフはラインナップされておらず、その登場はオーバーシーズデビュー3年後である1999年のこと。また、クロノグラフはラージサイズより更に大きな40mmというケースサイズで1種類のみのサイズ展開だったのです。

そのため、オーバーシーズクロノグラフは2000年代前半において、3針モデルのオーバーシーズとは別という印象であり、その実勢価格も高かったのです。

当時のオーバーシーズの中古は自動巻でも40万円台で購入可能でしたが、クロノグラフとなると70万円以上という印象でした。

オーバーシーズの相場が、当時最も人気のあったスポーツロレックス「エクスプローラ」とほぼ同額だったのに対し、クロノグラフの相場はアクアノート(ブレスレットモデル)と同等という水準だったのです。

その傾向は、初代オーバーシーズが生産終了となった2006年以降でも継続しており、2009年の相場でも約78万円という水準。

2009年はリーマンショックによって腕時計が全体的に安かった時期であり、オーバーシーズの3針モデルもその影響を受けて30万円台で売られていました。

そのような時期においてクロノグラフモデルが約78万円というのは、クロノグラフモデルの扱いがやはり3針とは異なるということを示していると感じます。

ちなみに、その頃アクアノート(ラバーベルト)も80万円台で購入可能であり、オーバーシーズクロノグラフに近い額で売られていました。

そのため、オーバーシーズのクロノグラフモデルについては、アクアノートと同等というようにかなりの高級感を感じるのです。

しかし、オーバーシーズクロノグラフは、その後アクアノートのように大きな値上がりをすること無く、2009年と比べて16万円という値上がり額に留まっています

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年7月
の安値(ヤフオク)
2017年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ
クロノグラフ
49140/423A-8886
中古 8年
1ヶ月
¥787,500 ¥951,480 163,980 120.82%

確かに16万円の上昇はとても良い値上がり額ですが、アクアノートの値上がり額と比べるとかなり弱いという印象になります。

なお、白文字盤と黒文字盤がありますが、バーインデックスの白文字盤のほうが若干相場が高い印象。

ヴァシュロンコンスタンタンは三雲時計というブランド力だけでなく、実際世界的に人気のあるブランドです。

そして、オーバーシーズは知名度も高く、ましてスポーツモデルという人気となる要素も備えているのに、現在サブマリーナ116610LNと同じような相場なのです。

116610LNは今ではとても高い時計という印象ですが、2012年頃までの新品実勢価格は約60万円という水準。

ですから、本来116610LNよりオーバーシーズクロノグラフのほうが高かったのです。

よって、現在約100万円の選択肢として、オーバーシーズクロノグラフはお得感がかなり強いと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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