エアキングというモデルは、長らくロレックスの中で最も廉価なモデルとしてラインナップされ、「入門用のモデル」というような位置づけでした。
その印象は、2007年にモデルチェンジされた6桁時代においても変わることは無かった一方、その時代にはWGベゼルモデルやダイヤ文字盤も加わるという変化が発生。
その結果、エアキングというモデルの位置づけが曖昧となり、さらにラインナップ数も多いか事から、5桁時代より影が薄いモデルという印象になりました。
勿論、その時代のエアキングが『現在の選択肢として無し』というわけではありませんが、エアキングは5桁時代も2007年からの6桁時代においてもプレミア価格とは程遠いモデルだったのは確かです。
また、2008年にはデイト無しのオイスターパーペチュアルが復活したことで、両者の存在はよりぼやけたモノとなりました。
その結果ロレックスは2014年頃からテコ入れを開始し、エアキングを一時的に消滅させたのです。
そして2016年、約2年ぶりに復活となったエアキングは、それまでのものとは一線を画すモデルへと変化。
- ベンツ針の採用
- 文字盤のラインナップが唯一
というそれまでに無い構成となっているのです。
そして、色付きロゴの文字盤、緑色の針という特徴的なデザインは他のロレックスでない要素であり、誰もが注目する人気モデルへと変化。
これまでエアキングにこれほどの注目が集まることはありませんでしたし、新品実勢価格は驚くべきことにプレミア価格という状況です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の新品実勢価格(3社平均) |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 116900 |
新品 | 0年 10ヶ月 |
¥670,914 | ¥638,000 | -32,914 | 95.09% |
しかし、さすがのエアキングも新品実勢価格より1年後の中古相場のほうが高いという現象にはなっていません。
ただ、現在の60万円台前半という価格ではすぐに売れる傾向があることから、現状もとても人気があると判断できるため、まだまだ油断できないモデルです。
そして、中古相場においては上位機種であるミルガウスより高いという116900。出たばかりかつ人気がある状況でも、かつて100万円以上のプレミア価格となったミルガウスより高いというのはミルガウスが安いというようにも捉えることができます。
ちなみに、エアキング116900のムーブメントやケースはミルガウスと同等であるため、文字盤と針が違うミルガウスという見方もできるモデルです。
エアキングとして耐磁ケースが採用されるというのはかなり意外である一方、ミルガウス専用として開発されたケースとムーブメントが備えられているというのは、ミルガウスの不人気さを象徴しているようにも思えます。