最もシンプルなパネライであるルミノールベース。そのルミノールベースにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる中古相場となっています。
種類といっても、ケース素材や世代で分類することができますが、今回はステンレスモデルの事情を世代ごとに考察。
ステンレスのラジオミールベースといえば、最もポピュラーな存在がPAM00112であり、2002年から2013年頃まで製造された長寿モデルです。
PAM00112が生産終了となった後は、直接的な後継モデルは無く、自社ムーブメント搭載モデルであるPAM00560が最も近い存在といえるでしょう。
なぜ直接的な後継モデルではないかというと、PAM00112の前モデルであるPAM00002とはリファレンス末尾が「2」で共通。これはマリーナのほうでも同様で、PAM00001に対してPAM000111となっているのです。
また、文字盤のデザインも2番と112番は同様ですが、560番だと下の部分に「8 DAYS」と表記されている点が異なります。このような差はPAM00000という存在の例からも、ちょっとした別扱いという傾向が多いのがパネライです。
ルミノールベースの元となるモデルが登場したのは1993年のことで、その際のリファレンスは5218-201/Aというモノ。
これはリシュモングループ入りする前の「プレヴァンドーム」にあたり、現在とても高い相場です。
ということで、同じような見た目のルミノールベースですが、1993年のデビューから現在に至るまで、以下のモデルがデビュー。
これらは全てステンレスの通常モデルであり、白文字盤、ケース素材、限定モデルなどを含めるともっと多い数となります。
では、それらモデルが中古相場にてどのような順序になるかというと、このようになるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
高い=5218-201/A⇒PAM00002=PAM00560⇒PAM00112⇒PAM00000 |
5218-201/A(約250万円)が圧倒的に高く、PAM00000(30万円台後半)が最も安いという結果になるのですが、興味深いのはPAM00002(40万円台後半)がPAM00560と同等の評価という点です。
PAM00560は2014年にデビューしたばかりのモデルかつ自社ムーブメント搭載という内容。それでいて新品実勢価格はかつて70万円程度だったということもある強かったモデルかつ現行という存在です。
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00002 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥458,000 | ¥468,000 | 10,000 | 102.18% |
PAM00002が高めの相場という現象は、最近起きたことではなく、この10年ぐらい続いていることです。
とはいってもリーマンショック後にルミノールベースの相場が全体的に安くなったときには影響を受け、PAM00002も30万円という水準まで下落。
しかし、その際PAM00112は25万円を切っていたため、現在と同じく相対的に高い存在であったのです。
そして、その相場の水準は1年前から変わらず、相変わらず40万円台後半という相場を維持。
では、なぜPAM00002が評価されているのかというと、プレヴァンドーム時代に最も近い存在だからです。
PAM00002の中にはトリチウム仕様が存在。それは1999年までに製造された個体に見られる内容なのですが、希少さとプレヴァンドームと同じ発光塗料という点から、100万円近い相場です。
そして、後期仕様のPAM00002もプレヴァンドームに近いものという評価から、裏スケという進化要素を備えるPAM00112より高く評価されているのです。