ブルガリアルミニウムにはレディース、ボーイズ、メンズの3種類が存在していますが、自動巻ムーブメントを搭載するのはメンズサイズのみ。
そのため、2000年代前半よりメンズサイズの相場が他より高い傾向なのですが、それでも6万円程度という水準でした。
そして、今では安いものが3万円台で売られているというように、自動巻メンズサイズでもかなり安くなったと感じます。
しかし、それは程度の悪い個体の話。アルミニウムは構造的に程度が悪くなりやすく、程度の悪い個体が多い傾向です。
そのためアルミニウムの場合、以前にも記事で紹介したとおり程度の良いモノの相場を見極める必要があるのです。
そして今回は、それよりさらに希少性の高い「とても程度の良い個体」についての事情を考察。
ブルガリアルミニウムの場合、凹みやすく変色しやすいアルミ素材のケースと、痛みやすいラバーベルトを採用しているため、「とても程度の良い個体」であるためには“使用頻度が低い”という要素が必要となります。
現在アルミニウムにおいて、程度の良い個体が減っている中、「とても程度の良い個体」はかなり希少。
長らく、とても程度の良いモノを発見することができなかったのですが、今回それが登場したのです。
では、どのような評価となっているかというと、10年前と比べて若干の値下がり状態となっています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2007年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
アルミニウム AL38A |
中古 | 9年 11ヶ月 |
¥99,540 | ¥89,800 | -9,740 | 90.21% |
2007年時点で既にアルミニウムはそこそこ程度の良いモノが6万円程度で購入可能でしたが、とても程度の良いモノとなると10年前でもプラスアルファ高いという状況だったのは今と変わりありません。
ただ、アルミニウムがデビューしたのは1998年ですから、10年前の2007年においては、最も古い個体でも“9年前のモノ”という状況。今ではそこから10年経っているわけですから、最も古い個体は“19年前のモノ”となっています。
そのため2007年時点でのアルミニウムには、現在より程度の良い個体が多かったのです。
では、なぜ程度の良い個体が減っている現在において、「とても程度の良い」アルミニウムが若干の値下がり傾向かというと、ブルガリの人気が10年前より弱まっているからだと予測できます。
例えばクロノグラフのCH35Sは10年前まで20万円台前半という相場。それが今では10万円台前半まで下落しているのです。
よって、「程度の良いアルミニウム」の需要は減っていないものの、ブルガリに注目が集まっていないことにより、2007年と比べて弱いのです。
そのため、希少性は増したのにもかかわらず、若干の値下がりという結果。
しかし、最近は90年代のブルガリに対して評価をする人が増加傾向であり、「クラシックブルガリ」とも呼ばれています。
実際、90年代のブルガリにはとても魅力的なモデルが多いため、今後もブルガリは要注意な存在だと感じます。
そして、クラシックブルガリが今よりもっとメジャーになった際、とても程度が良いアルミニウムはかなり重要なモデルとなるはずです。