腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

歴代モデルの事情、オメガスピードマスター145.0022

2017年9月15日更新
オメガのスピードマスター145.0022について斉藤由貴生が執筆。本記事では2013年5月の安値(ヤフオク)と2017年9月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年4ヶ月での変動は¥153,000だった。

スピードマスター プロフェッショナル 145.0022についての考察(2017年9月)

スピードマスターといったら、NASA公式でありムーンウォッチとも呼ばれる「プロフェッショナル」という印象です。

しかし、その歴代モデルに対してはあまり注目されることはありません。

例えば、ロレックスの場合、4桁リファレンス⇒5桁リファレンス⇒6桁リファレンスというように変化していったのは有名ですが、スピードマスターに至っては、その輪郭がなかなかはっきりしません。

プロフェッショナルのリファレンスは、90年代後半から長らく3570.50でしたが、2014年からもっと長いリファレンスに変更となりました。

ただこれは、ロレックスのようにモデルチェンジしたからリファレンスが変わったというわけではなく、あくまでオメガ自体の新リファレンスに適合されたという変化です。

実際、時計自体に対する変化はほぼなく、最も変わったのは「箱」という部分です。3570.50の頃よりだいぶ大きくなった箱には、ルーペなどの付属品が付くという点が新リファレンスモデルの特徴です。

また、スピードマスターには1stモデルや2ndモデルというように、各世代の線引が存在しますが、それは5thまでであり、それ以降ははっきりしない傾向です。

当然、3570.50からリファレンスが変化したモデルも、8thモデルなどとは呼ばれておらず、事実上同世代のモデルという扱い

スピードマスターが登場したのは1957年のことですが、それから1968年までの間は、2年ごとという短いスパンでモデルチェンジされています。

  • 1957 1stモデル
  • 1959 2ndモデル
  • 1963 3rdモデル
  • 1966 4thモデル
  • 1968 5thモデル
  • それが、1968年以降は今まで続いているといえるのです。

    実際、現行モデルの見た目は1968年のモデルとほぼ変わりなく、目立って違うのは文字盤上のオメガロゴとブレスレットの形状という印象です。

    ではなぜ、これだけ長らく変化が無いのかというと、それは1969年の月面着陸の際に同行したモデルが5thモデルだからです。

    つまり、ムーンウォッチこそ5thモデルであり、それをほぼ変化させないという方針をオメガはとっているわけです。

    1968年から現在までにリファレンスは、4回程度変わっている模様。

    リファレンスの変更=モデルチェンジ、というように捉えがちですが、実はムーンウォッチにとってのリファレンス変更は、2014年の変更と同じようにモデルチェンジではありません。

    それがスピードマスターの歴代モデルをわかりづらくさせる点であるため、あまりムーンウォッチの前モデルに注目が集まらない点なのです。

    実際、前モデルである4thモデルなどは1968年以前に登場したモデルであるため、かなり手を出しづらいという事情も存在。

    そして、5thモデルには様々な年式とリファレンスがあるのにもかかわらず、それぞれの相場が大きく違わないという点も興味深い点なのです。

    現在3570.50と、その2つ前のリファレンスである145.0022はほぼ同一の相場です。

    (現在参考の腕時計がありません)

    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2013年5月
    の安値(ヤフオク)
    2017年9月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    オメガ
    スピードマスター
    プロフェッショナル
    145.0022
    中古 4年
    4ヶ月
    ¥145,000 ¥298,000 153,000 205.52%

    最近、3570.50が高くなっている様子は何度か記事でもお伝えしたとおりですが、その相場と同じ曲線を描いているのがこの145.0022

    145.00223570.50と比べて数が少なく、レアな印象があるにもかかわらず、同じ相場なのです。

    よって、今3570.50を検討する場合、よりレアな145.0022を検討してみても良いのではないでしょうか。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
    本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。