スピードマスターといったら、NASA公式でありムーンウォッチとも呼ばれる「プロフェッショナル」という印象です。
しかし、その歴代モデルに対してはあまり注目されることはありません。
例えば、ロレックスの場合、4桁リファレンス⇒5桁リファレンス⇒6桁リファレンスというように変化していったのは有名ですが、スピードマスターに至っては、その輪郭がなかなかはっきりしません。
プロフェッショナルのリファレンスは、90年代後半から長らく3570.50でしたが、2014年からもっと長いリファレンスに変更となりました。
ただこれは、ロレックスのようにモデルチェンジしたからリファレンスが変わったというわけではなく、あくまでオメガ自体の新リファレンスに適合されたという変化です。
実際、時計自体に対する変化はほぼなく、最も変わったのは「箱」という部分です。3570.50の頃よりだいぶ大きくなった箱には、ルーペなどの付属品が付くという点が新リファレンスモデルの特徴です。
また、スピードマスターには1stモデルや2ndモデルというように、各世代の線引が存在しますが、それは5thまでであり、それ以降ははっきりしない傾向です。
当然、3570.50からリファレンスが変化したモデルも、8thモデルなどとは呼ばれておらず、事実上同世代のモデルという扱い。
スピードマスターが登場したのは1957年のことですが、それから1968年までの間は、2年ごとという短いスパンでモデルチェンジされています。
それが、1968年以降は今まで続いているといえるのです。
実際、現行モデルの見た目は1968年のモデルとほぼ変わりなく、目立って違うのは文字盤上のオメガロゴとブレスレットの形状という印象です。
ではなぜ、これだけ長らく変化が無いのかというと、それは1969年の月面着陸の際に同行したモデルが5thモデルだからです。
つまり、ムーンウォッチこそ5thモデルであり、それをほぼ変化させないという方針をオメガはとっているわけです。
1968年から現在までにリファレンスは、4回程度変わっている模様。
リファレンスの変更=モデルチェンジ、というように捉えがちですが、実はムーンウォッチにとってのリファレンス変更は、2014年の変更と同じようにモデルチェンジではありません。
それがスピードマスターの歴代モデルをわかりづらくさせる点であるため、あまりムーンウォッチの前モデルに注目が集まらない点なのです。
実際、前モデルである4thモデルなどは1968年以前に登場したモデルであるため、かなり手を出しづらいという事情も存在。
そして、5thモデルには様々な年式とリファレンスがあるのにもかかわらず、それぞれの相場が大きく違わないという点も興味深い点なのです。
現在3570.50と、その2つ前のリファレンスである145.0022はほぼ同一の相場です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年5月 の安値(ヤフオク) |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター プロフェッショナル 145.0022 |
中古 | 4年 4ヶ月 |
¥145,000 | ¥298,000 | 153,000 | 205.52% |
最近、3570.50が高くなっている様子は何度か記事でもお伝えしたとおりですが、その相場と同じ曲線を描いているのがこの145.0022。
145.0022は3570.50と比べて数が少なく、レアな印象があるにもかかわらず、同じ相場なのです。
よって、今3570.50を検討する場合、よりレアな145.0022を検討してみても良いのではないでしょうか。