オメガの時計といえば、シーマスターやスピードマスターという印象で、マニアックなモデルといってもそのシリーズに属する1つのモデルという傾向があります。
例えば、以前記事でも紹介したジャンピングアワーのオメガはかなり珍しい存在ですが、「デビル」シリーズに属します。
そんなオメガのシリーズにおいて、このダイナミックという存在はあまり知られていないシリーズだと感じます。
ダイナミックは1970年代頃からあるのですが、90年代のモデルでは大きく形を変えており、ミリタリーウォッチ的な見た目となりました。
90年代モデルが登場したのは1997年頃である一方、2002年頃には生産終了となっているため、かなり生産期間の短い時計です。
当時の位置づけは、オメガの中で最も廉価というポジション。
ブルガリでいうソロテンポに当てはまるモデルですが、当時実勢価格が高かったブルガリと比べるとオメガの実勢価格は低い水準だったため、ソロテンポとは比べ物にならないぐらい安く売られていました。
しかし、今となってはソロテンポよりダイナミックのほうが高く、さらにダイナミックはこの1年で値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2017年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
ダイナミック 5200.50 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥65,000 | ¥97,092 | 32,092 | 149.37% |
90年代に登場したダイナミックには大きく2つの種類があり、それは3針モデルとクロノグラフに分類できます。
近頃、ダイナミックにおいて最も人気が高いのはクロノグラフモデルで、そちらも値上がり状態。
3針モデルはクロノグラフと比べると相場が安く、さらに数も少ないことから、あまり「値上がり」という印象はありませんでした。
しかし、近頃は3針モデルは数本が売り出されており、それらの相場は1年前と比べて150%近くも高くなっているのです。
興味深いのはクロノグラフのダイナミックの数が減る傾向の中、逆に3針モデルは以前より出てきているという点。
これはたまたまでしょうが、もともとレアなモデルなため、需要が増えるとすぐに数が減るという現象が起こりやすいモデルであることに違いはありません。
ダイナミックというシリーズは、シリーズ自体の存在がレアなだけでなく、生産年数も短いという存在。また、新品当時も売っているのを見かける機会が少ないモデルだっただけに、複合的にレアな要素があるモデルなのです。
そして、そのレアさだけでなく、シンプルな見た目の中に独特の魅力が詰まっているダイナミック。
マニアックなモデルながらこの1年間で高くなっているというのは、とても理解できる時計です。
ちなみに、最廉価モデルというキャラクターながら、3針モデルのデイト部分は他のオメガとは異なる独特なフォントが採用されており、細部にも凝ったモデルです。