現行世代のパテックフィリップは、現在中古でも200万円前後という状況が珍しくなく、まさに雲上にふさわしい相場です。
とはいえ、そんなパテックフィリップの中でも100万円を切るモノも存在。それらモデルの特徴といえばカラトラバなど手巻きムーブメントが搭載されたモノが目立ちます。
カラトラバといえば96シリーズですが、2000年代前半までに現行モデルだった3796は現在100万円以下のモノが目立っていることから、なんとなく“1世代前のカラトラバは安い”という印象になります。
しかし、自動巻ムーブメントが搭載されたモデルとなると事情は異なり、カラトラバでも130万円以上ぐらいという感じです。
ですから、自動巻のカラトラバについては相場が異なるため、手巻きの相場と比べると「高級」という印象となります。
けれどもそんな自動巻カラトラバの中でも、現在約100万円というモノが存在。
それがこの5012Jというモデルです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年10月 の安値(ヤフオク) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5012J |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥888,000 | ¥1,008,000 | 120,000 | 113.51% |
この時計には、アクアノートなどにも採用されている「キャリバー315」が搭載されています。
アクアノートといえば今や200万円近い相場であり、それと同じムーブメントが搭載されているのに半額に近い額で買うことができるというのは、なんだかお得感を感じます。
とはいえ、かつてアクアノートはカラトラバよりも安かったため、15年以上前であれば、アクアノートに対して315搭載というほうがお得感があったのは面白い点。
この5012、ケースサイズは33mmですが、90年代頃に現行だったモデルとしては標準的なサイズ。
男性用でも約30mmという3796のように極端に小さいわけでもありません。
よって5012Jは、
というように特に不人気要素があるわけでもないのに約100万円という額で購入可能であるのです。
ちなみに、2011年には約88万円でしたが、その頃は5000Jなども同じ相場。5000Jは現在130万円前後という相場になっているため、現在の5012にはお得感を感じます。
この5012、デザインは90年代パテックの一部モデルに存在したモダンな方向性ですが、ブルガリブルガリを意識したデザインという印象です。
特にラグ部分のデザインがブルガリブルガリにとても似ており、33mmというサイズも同様です。
ブルガリブルガリの相場は現在安い水準ですが、人気がないというわけでははなく、一定のファンがいる時計。
ですから、ブルガリブルガリ風のパテックフィリップという珍しいこの5012、コレクションの1つとして面白い存在かもしれません。