第一次腕時計ブームだった頃、タグホイヤーの中心的なラインナップはクオーツを中心とした3針防水モデル。
当時カレラという存在は、「クラシック」シリーズとして異色な存在でした。
その時期のカレラは
というように、マニアックな時計ファンに向けた内容で、多くの人に選択されるということを狙っていないと感じさせる内容。
2002年頃からカレラは、それまでより日当たりの良い位置にラインナップされたのですが、その頃でも高級な部類であり、ややマニアック感を感じさせた内容でした。
しかし2004年から、カレラはタグホイヤーの中心的存在として、オメガのスピードマスターオートマチックなどに対抗したモノとなったのです。
その際登場したモデルがこのCV2010で、2004年から小変更を加えられながら今でも現行モデルとして存在。
とはいえ、現行モデルはデイト部分に曜日が追加されデイデイト仕様。さらに、一時期は裏スケ仕様となるなど、他の時計と比べると大きな変更が存在。別モデルとも同一モデルとも捉えることのできる、分かりづらさがあるのです。
また、このモデルはかなり流通する数が多く、現在におけるオーソドックスなモデルとしてとても人気が高いように感じます。
数の多さ、キャラクター、価格帯などの要素から、高級腕時計の入門的な存在という印象なこのCV2010。
第一次腕時計ブームの頃の入門的だったオメガのスピードマスターリデュースドが、入門用時計の第一世代だとするならば、このCV2010は第二世代という感じです。
実際、2004年にデビューした時計ですから、ロレックスの6桁モデルに相当する年式。それに対してリデュースドは80年代後半にデビューしていますから、まさにロレックスの5桁リファレンスに相当します。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年5月 の安値(ヤフオク) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
カレラ 裏スケ仕様 CV2010 |
中古 | 5年 6ヶ月 |
¥152,250 | ¥156,600 | 4,350 | 102.86% |
このCV2010、腕時計が全体的に安かった2012年と、数多くの腕時計が数ヶ月単位で値上がりし続けている現在とでほぼ相場が変わっていません。
そのため、値上がりという側面からするとあまり優秀でないようにも感じます。
しかし、このCV2010のように、
という側面を持つ時計の場合、5年で相場が変わっていないというのは立派だという評価に値すると思います。
ノーチラスやGMTマスターのように、時代によっては不人気要素となってしまう強い個性は、入門的ポジションの腕時計において存在することができません。
また、CV2010は数がとても多いため、デビュー10年後には需要より供給量が多いということも考えられるのです。
しかしCV2010は2012年でも2017年でも中古相場が変わらず、いまでも多くの中古が売れている状況。
よって、ある種の不利な状況であるにもかかわらず、これだけの人気と相場を維持しているというのは優秀ともいえるのです。