ラバーベルトに特殊金属製のケース、というように一般的な高級腕時計にあまり使われない素材を用いた時計といえば、ウブロのお家芸という印象があります。
ウブロといえば今では「高い」「人気がある」という印象ですが、第一次腕時計ブームだった2000年代前半においてそこまで存在感のあるブランドではありませんでした。
現在のように注目されているウブロの形態になったのは、2005年に登場したビッグバン以降のことですが、それから現在に至るまでウブロの存在感は高い状態を維持していると言えるでしょう。
ウブロと同様のコンセプトは、2005年以前よりブルガリが行っていたことですが、それ以前のブルガリのポジションを奪ったようにも見えます。
「YG+ラバーベルト」という内容はウブロのほうが先ですが、ラバーベルトの高級腕時計として先にメジャーな存在になっていたのはブルガリのスクーバやアルミニウムです。また、アルミニウムの例が象徴するように、高級腕時計としては異色な素材を使うというのもブルガリのほうが先行しているといえるでしょう。
ではなぜ、ウブロがこれだけ人気になったのか。
その理由こそ、「高級モデル」というイメージが強かったからだと思います。
例えば、ビッグバンの有名モデルである301.SX.130.RXの定価は約140万円という水準。
一方ブルガリのステンレスモデルはそこまで高くなく、ビッグバンほど高い時計という印象を抱く人も少ないかと予測できます。
同じく「目立つ要素」があるブルガリとウブロですが、安く手に入れようと思えば手に入るブルガリと、高そうなイメージがあるウブロとでは、多くの人にとってウブロのほうが魅力的に映ると思います。
そしてそれは今でも変わらない印象で、2010年と比較しても値下がり傾向なモデルが目立つブルガリとは異なり、ウブロのビッグバンは20万円以上も値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年6月 の安値(ヤフオク) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ウブロ
ビッグバン 301.SX.130.RX |
中古 | 7年 5ヶ月 |
¥627,900 | ¥840,240 | 212,340 | 133.82% |
ウブロの人気が出たのは2005年以降であるため、流行りモノという評価を受けることもあります。
かつてパネライにも同じことが言われており、一般的なメンズサイズが38mmだった時代に44mmという時計を打ち出したため、「一時のブーム」と思われていたのです。
しかし、パネライは高級腕時計のメジャーな存在として定着。今や流行り物という印象を抱く人はあまりいないでしょう。
そして、ウブロは実際、2005年以降10年もの間において高い存在感を継続しているため、定着したともいえる状況です。
ちなみにウブロの時計、以前お伝えした3針モデルのクラシックフュージョンも2010年と比べて16万円以上の値上がり状態。
また、中古相場が新品と大きな価格差が無いという点も共通しています。
一般的な高級腕時計と大きく違う点や、この価格帯としてETA7750ベースのムーブメントということなど、マイナスポイントとなってしまう要素があるウブロのビッグバン。
これだけ不利な要素を抱えながらもしっかりと値上がり状態というのは、立派だといえるでしょう。