2017年夏過ぎから、5桁リファレンスのGMTマスターシリーズ(16710,16700)は値上がり傾向となっている模様です。
16700と16710は、かつて最も人気の無いスポーツロレックスという不名誉な存在でしたが、ステンレスモデルが6桁リファレンスとなった2007年に色付きベゼルモデルが消えたことから注目され始め、相場が上昇したという経緯があります。
とはいえ、腕時計が全体的に高くなっていた2014年において16700は依然として40万円台前半で購入可能。
今となってはバーゲンプライスのように感じますが、当時としては高くなったという印象だったように思います。その後、16700の相場は値上がり状態が続いたため、結果として2014年の相場は安かったということになります。
2015年頃には60万円前後という相場まで上昇。
しかし、その時点で値上がり傾向は収まり、16700は1年以上の間その相場付近で留まっていたのです。
2016年12月においては最終品番のA番ですら60万円台前半で入手可能。
その頃における16700の相場は最終品番のA番でも他の年式でも特に差がない状況でした。
けれども、今となってはそれに異変が起こり、最終品番のA番だけかなり高い相場であるのです。
冒頭のように、2017年夏過ぎから5桁リファレンスのGMTマスターシリーズが値上がりし、今では80万円台前半という相場まで上昇。
2016年の60万円台前半という相場から比べると、かなり高くなったという印象となりますが、16700のA番はさらに凄いことになっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター A番 青赤ベゼル 16700 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥734,000 | ¥1,099,440 | 365,440 | 149.79% |
16700は1999年に生産終了した「GMTマスター」の最終モデル。
「GMTマスター2」の16710においても現在“青赤ベゼル”の相場が最も高い状況ですが、この青赤ベゼルこそ1956年に登場したGMTマスターのアイコン的存在です。
現在、GMTマスターには「2」しかありませんが、オリジナルの「GMTマスター」の最終モデルこそ16700のA番なのです。
デイトナ16520P番などの例から、ロレックスの最終モデルは高くなる傾向がありますが、GMTマスター16700はこれまで特に高くなっていなかったのです。
一方、「GMTマスター2」である16710の最終モデルであるM番は、数年前から他の品番よりかなり高いという状況。
16700と16710はほぼ同じに見えるため、16710が事実上の後継モデルとみなされ、これまで16710の最終モデルだけが高かったのだと予測できます。
けれども、16700は『II』の付かない「GMTマスター」の最終モデル。
よって、今回A番だけ特に高くなったというのは、とても理解できる現象であるのです。