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現在相場考察

2014年より安い、パテックフィリップ5396R-001

2017年12月7日更新
パテックフィリップの年次カレンダーについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2014年11月の安値(ヤフオク)と2017年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この3年1ヶ月での変動は¥-148,000だった。

年次カレンダー 5396R-001についての考察(2017年12月)

2013年以降の腕時計相場は、2014年より2015年のほうが高く、2016年に一旦安くなったものの2017年に更に高くなったという印象があります。

しかしパテックフィリップに関しては、2014年が最も高かったというモデルがいくつか存在。

例えば、アクアノート5167/1Aなどもその例に当てはまるのですが、最近は値上がり傾向で2014年に引けを取らない水準となってきています。

とはいえその一方で、依然として2014年のほうが高いモノがあるのです。

この年次カレンダー5396R-001はまさにその例で、2014年より14万8000円安く購入可能。

パテックフィリップコンプリケーションモデルというと、とても高いというイメージがありますが、2014年と比べて安いというのは意外です。

そして、さらに興味深いのは2014年と2017年とではノーチラスと相場が逆転しているという点です。

3針ステンレスのノーチラスより、コンプリケーションである年次カレンダーのほうが高いというのは長らく常識的な価格序列でしたが、現在400万円以上というノーチラス5711/1Aに対し、同じ時代の年次カレンダー5396-001は400万円以下という水準です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2014年11月
の安値(ヤフオク)
2017年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
5396R-001
中古 3年
1ヶ月
¥3,980,000 ¥3,832,000 -148,000 96.28%

5396年次カレンダーにおける小窓デザインモデルのレギュラーモデルとして2006年にデビュー。

小窓デザインの年次カレンダーが初登場したのは2003年のことで、WEMPE125周年を記念した限定モデル5125は世界中で「格好良い」と評価されていました。

そうした経緯もあり、レギュラーモデルにも小窓デザインの年次カレンダーが加わったのですが、2006年に出た『-001』はWEMPEとは似つかない印象。

WEMPEモデルが、永久カレンダーの名作3448などに似ていたのに対し、5396は1930年代に出たモデルの復刻版という印象だったのです。

そして、WEMPEモデルに近いデザインである『-010』が2010年に登場した際は、やっとWEMPEに近いモノが出たという印象となりました。

そのため『-001』は、長らく『-010』より安い状況です。

ちなみにWGのほうが価格差があり、現在『-001』が約338万円なのに対し、『-010』は478万円という水準です。

WGモデルの過去価格の参考が無かったため、今回はローズゴールドの事例を紹介しましたが、WGのほうがより『-001』と『-010』の価格差が分かりやすい状況となっています。

しかし、この独特な『-001』の文字盤は、個性的であるがゆえに今後「これが良い」という人が増えても不思議ではありません

そのため、この文字盤が好きという方にとっては、安く買えるためとてもお買い得だといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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