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現在相場考察

90年代ブルガリの入門時計、ソロテンポST35S

2017年12月12日更新
ブルガリのソロテンポST35Sについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年12月の安値(楽天)と2017年12月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は¥15,520だった。

ソロテンポ 黒文字盤 ST35Sについての考察(2017年12月)

ブルガリの廉価モデルとして1997年にデビューしたソロテンポ

ブルガリといえば、身近なお店で香水が売っている印象がありますが、本来は超高級なイタリアの宝石商。

腕時計に参入したのは1970年代後半と他メーカーにかけて遅めですが、ブルガリの場合は文脈が違います。

そもそもブルガリは時計に参入した時代まで、イタリア以外の国に店舗が無いという知る人ぞ知るブランドだったのです。

そしてその“知る人ぞ知る”『通』な印象が、90年代後半のブルガリにはありました。

例えば、当時の日本の本店は紀尾井町。

2009年に紀尾井町店は閉店してしまいましたが、2017年現在でも紀尾井町には当時の店舗外観がそのまま残っています。

紀尾井町の外観を見て感じるのは、『上質でモダンで洒落ている』というキーワード。

そして、当時の時計ラインナップもまさにそのキーワードにマッチするものだったのです。

90年代後半のブルガリ時計のラインナップはとてもシンプルで分かりやすく、各ラインナップの役割がひと目で分かりやすいという印象でした。

ちなみに、その時期既にブルガリにはトゥールビヨンが存在。トゥールビヨンといえば、ダニエルロートを買収した2000年代以降という印象ですが、実は90年代にもひっそりとラインナップされていたのです。

そしてソロテンポは、そのようなブルガリ腕時計の裾野を広げるためにラインナップされた時計であるのです。

しかし、翌年1998年には有名な「アルミニウム」が登場。

アルミニウムも比較的廉価なポジションだったため、ソロテンポアルミニウムの影に隠れてしまった印象です。

そのため、今では人気が無いのかと思いきや、実はそんなことはなく一定のファンがいるという時計。

シンプルかつ安値のため、一見どのような魅力があるのか分かりづらいソロテンポですが、90年代ブルガリの背景を知るとその魅力が分かるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年12月
の安値(楽天)
2017年12月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ブルガリ
ソロテンポ
黒文字盤
ST35S
中古 1年
0ヶ月
¥49,280 ¥64,800 15,520 131.49%

初代ソロテンポの男性用モデルは35mmで、ムーブメントは2針のクオーツのみ。

ストラップは革ベルトとブレスレットが用意され、革ベルトモデルにはイエローゴールド版も存在します。

ステンレスブレスレットモデルの程度の良いモノは現在6万円台ですが、程度の良いモノは1年前でも今でも比較的早く売り切れる傾向があります。

ちなみに、6万円台という額は2011年と同様。ですから、現在のソロテンポは2011年並に回復したということになります。

5万円前後で購入可能なモデルとして、タグホイヤーキリウムなどとともにコレクションボックスに並べてみたい1本だと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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