2000年に登場して以来、コンプリケーションの中核モデルとして存在感のあるワールドタイム。
もともとワールドタイムというモデルは、1950年代頃までに存在した幻のモデルでしたが、そのモデルを所謂「プチコンクラス」にラインナップしたため、2000年の復活時から話題になったモデルです。
現在、現行としてラインナップされているモデルは3代目。初代の頃は、4つの素材から選べるというシンプルなラインナップで、文字盤の色すら“プラチナだけが異なる”という構成でした。それが2代目以降はクロワゾネ文字盤などの特別仕様が展開されたり、女性用が登場したりとラインナップが増えています。
ラインナップが増えたため、ワールドタイムの全体像は把握しづらくなりました。
とはいえ、この時計は「高いのモノである」ということは分かりやすく、それは中古のボトム価格が現在300万円程度ということからも明白です。
現在、最も安いワールドタイムは初代のYGモデルである5110Gで、298万円とう価格です。
そしてその次に安いのがローズゴールドの5110R。約302万円という価格なのですが、なんとこの時計、2017年6月から1年経たないうちに48万円もの値上がりをしているのです。
しかし、この時計についてはもう少し詳しく見る必要があります。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ワールドタイム 5110R |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥2,538,000 | ¥3,021,840 | 483,840 | 119.06% |
それは、2015年8月時点で320万円という水準だったという点です。
現在の水準は、2017年6月と比較すると約48万円の値上がり状態ですが、2015年8月と比べると20万円近くの値下がり状態なのです。
ですからこの時計、2015年まで高かったのが、あるタイミングで安くなってしまったということ。
ではそれはいつなのかというと、2016年8月です。
2016年8月といえば、数多くの時計が値下がり状態なった時期。そのことは何度も記事でお伝えしていますが、このワールドタイムもそれに該当する値動きをしているのです。
2016年8月における5110Rは285万4000円という価格。
ですから、その時点で2015年から30万円以上安くなっていたということになります。
そしてこの時計は、他の時計とは異なり2017年になっても価格回復せず、2016年8月時点より値下がりしていたのです。
以上のことにより、2018年2月現在の価格は2016年以来やっと回復傾向になったということ。
とはいえ、まだ2015年時点までは戻っていないため、値上がりというには道半ばという感じだと思います。