スピードマスタープロフェッショナルのムーンフェイズモデルといえば、腕時計ブームだった2000年頃に登場したブロードアロー針の3575.20というイメージがあります。
とはいえ、ムーンフェイズには3575.20が登場する以前にも幾つかのモデルが存在。
初代ムーンフェイズモデルであるT345.0809はとても高値傾向なモデルですが、比較的有名な存在かもしれません。
そしてもう一つのムーンフェイズも高値なのですが、そのモデルはデビューした当初から「高級」というポジションです。
そのモデルこそ1999年に登場した3689.30。
WGケースに竹斑の革ベルトという豪華な内容のこのモデルは、当時ステンレスの新品実勢価格が10万円台だったオメガにおいて、60万円以上という高額なモデルでした。
WGということを除けば、構成自体は後に登場したブロードアロー針のモデルと同じようにも見えますが、このWGモデルは“なんとなく違う”という雰囲気が魅力的なのです。
その要素こそ、
であり、それが革ベルトとともにフォーマルな印象を演出しているのです。
2000年頃登場したブロードアロー針のムーンフェイズも近頃高値傾向ですが、それよりこのWGモデルのほうがかなりレア。
ブロードアロー針に銀ベゼルという3575.20はどちらかと言うとカジュアル感が強い印象ですが、このWGモデルは高級モデルという印象が良いと思います。
ステンレスのムーンフェイズが値上がりしている現在、さらに高級かつレアなWGモデルはどのぐらいの相場になっているのかというと、なんと120万円台という水準です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 3689.30 |
中古 | 9年 0ヶ月 |
¥374,325 | ¥1,231,000 | 856,675 | 328.86% |
このWGモデル、2009年時点の水準が30万円台となっていますが、その価格はこの時計にとってかなり安いといえます。
これは“意識的に安値をピックアップした”のではなく、一所懸命調べても30万円台という値しか見つからなかったのです。
これは推定の範囲になってしまうのですが、本来この時計の過去相場は安くても50万円台ぐらいが妥当だと思います。
また、2000年代前半においてこの時計は新品が60万円台で売られていたという記憶があるのですが、資料が見つからず過去相場の事例として示すことができませんでした。
WGモデルが30万円台だった2009年2月という時期は、リーマンショックが起こってからまだ半年も経っていません。
この時期には、比較的マニアックなモデルがかなりな安値で売られていた様子がありましたが、この3689.30もその事例に当てはまるのかもしれません。
とはいえこのモデルは、見た目的な魅力だけでなく、レア要素も備わっています。そのため、2009年の価格は安すぎるといえるでしょう。
この時計の特別さを考慮すると、現在の120万円台という価格は今の全体的な腕時計相場に対してふさわしく、魅力的だと感じます。