パネライのパワリザモデルは、A番=1998年の段階からありますが、当初は“変わり種モデル”という存在だったように思います。
今となっては、パワリザパネライというものに対して“変わり種感”を感じることはありませんが、それは2000年代半ばからという印象です。
98年に登場したパワリザモデルが第一世代であるのに対し、第二世代はいつ頃出たのかというと2001年のこと。
その際登場したPAM00090は今でも現行モデルとして存在しており、変わり種感がないモデルだといえるでしょう。
ですから、90番がパネライのパワリザという存在を『変わり種からメジャー』に変えた可能性があります。
しかし、90番が現行モデルとして存在していた2002年頃、プレミア価格になっていたルミノールベースの横で、本来ベースより高級なパワリザが10万円程度安く売られていたのです。つまり、この時期においてもパワリザは“変わり種モデル”だった可能性があります。
では、どのモデルがパワリザパネライをメジャーにするほどの人気を誇ったのか。
その答えこそ、40mmモデルにあるといえるでしょう。
40mmモデルにパワリザモデルが追加されたのは2002年のこと。その際登場したのが、
の2つです。
スモールセコンド、デイト、パワーリザーブインジケーターが左右非対称に配置された40mmの見た目は、90番を40mmサイズにしたようにも思いますが、当時の文脈ではそうではなかったのです。
2000年代前半において40mmパネライという存在は、少し高級なパネライという印象でした。
棲み分けとしては、原理主義的なモデルが手巻きの44mmで、少し高級感があって身近な存在が40mm、最高級がラジオミールという感じだったのです。
44mmにも自動巻モデルはありましたが、それらと40mm自動巻との違いは「高級感」という要素です。
40mmにはブレスレットモデルがあったり、ラジオミール並に高級なルミノールクロノがあったりなど高級という要素に近い存在。それに対して44mmの自動巻モデルは、手巻きモデルに対する“変わり種”や“遊び心”といった感じでカジュアルな印象だったのです。
ですから、2002年に登場した40mmパワリザモデルは、デビューした当初から「上級モデル」として扱われていたように感じます。
そのような中、2003年には40mmブレスレットをそのまま44mmにした印象のPAM00171が登場。この171番は126番の上級モデルと認識され、この時パワリザパネライは44mmでも変わり種ではないと認知された可能性があります。
ですから、このPAM00125や126という存在があったからこそ、パワリザのパネライという存在は『変わり種からメジャー』となったともいえるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年5月 の安値(ヤフオク) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00125 |
中古 | 5年 9ヶ月 |
¥386,400 | ¥537,840 | 151,440 | 139.19% |
40mmのパワリザパネライはブレスレットモデルのPAM00126が有名である一方、革ベルトの125番が目立たない傾向があります。
革ベルトが目立たないというのはパネライとしては珍しく、PAM00048など革ベルトとブレスレットの価格差があまりない傾向の時計もあるぐらいパネライの革ベルトモデルは存在感があります。
現在PAM00125は53万円台ですが、Bランクだと約44.8万円でも購入可能。これは、PAM00048に近い価格なのですが、以前であればもっと差があったように思います。
それでも、2012年と比較すると値上がり状態であるため、この時計はやはり実力のある時計なのだと感じます。
ちなみに、Bランクの個体を参考値として比較した場合でも約9万円の値上がりとなります。