ロレックスブームだった90年代後半において、「定価よりも実勢価格が高い」ということを知らしめたのがエクスプローラー14720という存在です。
当時における14270の定価は34万8000円(税別)でしたが、実勢価格が60万円台ということもありました。
2000年頃には既に実勢価格が40万円台半ばという水準にまで落ち着いていたものの、SSスポーツロレックスの中では『デイトナの次に高い』という価格序列であることに変わりありませんでした。
そんな14270ですが、大人気の状態が続いている2001年に生産終了となったのです。
突然の生産終了は、人気絶頂で卒業するアイドルのような神々しさがあり、時計ファンを驚かせました。
しかし、その後継モデルとして発表された114270は、ほぼ14270と変わらない見た目であり、事実上のマイナーチェンジモデルだったのです。
そのため、エクスプローラー14270の人気はそのまま114270に引き継がれ、デビュー当初から人気モデルとして君臨していました。
しかし、人気モデルだった114270は2007年頃になると価格序列がSSスポロレの最下位というポジションまで下落。定価を基準とした本来の価格序列はこれが正しいのですが、かつて大人気だったモデルとしては寂しい気もします。
2008年にリーマンショックが起こると114270は20万円台前半という中古相場となり、かつてでは考えられないほど安くなったのです。その後、2013年以降に多くのロレックスが高くなった際、エクスプローラーは30万円台後半という相場まで上昇。
この時まで、14270と114270では相場がほぼ同一という状況となっていました。
それが2017年から状況が変わり、114270は5月に40万円台という水準に上昇。その半年後に14270も40万円台となりました。
そして114270は現在、40万円台半ばという水準になっており、2017年5月から5万円程度値上がりしています。
つまり、2017年から現在にかけて、114270のほうが14270より高いという状況が続いているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー 114270 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥410,400 | ¥459,800 | 49,400 | 112.04% |
2017年5月の114270が、現在の14270水準といえますが、それはそのまま114270の値動きにも当てはまるというのは興味深い点。
114270が40万円台となる2017年以前は、14270との価格差がほぼないという状況だったのに、今では5万円も違うのです。
ちなみに、筆者としては114270よりも14270のほうが高くなるのではないかと思っていたため、現在の状況は「予測とは違う」という感想です。
114270よりも14270のほうが仕様違いが多かったり、プレミア価格の象徴的モデルだったなど、何かと特徴的なモデルだと思います。
とはいえ、サブマリーナの14060と14060Mでは、「M」のほうが高いというように、ほぼ同じモデル同士の場合、より新しいモデルのほうが高いという傾向があります。
ですから、114270が14270より高いというのは自然な現象だともいえます。