タンクアメリカンといえばカルティエにおける名高い上級モデルという印象です。
ステンレスが存在しないという点や、実勢価格が高いという点がそれを象徴しているといえ、CPCPが登場する以前から存在しているということからも知名度が高いのではないでしょうか。
昔も今も、男性用LMサイズのタンクアメリカンといえば、中古でも100万円近くするというイメージがあり、特にプラチナモデルは100万円以下で売られていることを見かけません。
そして、機械式クロノグラフについては120万円以上となっているため、「やはり高い」という印象です。
しかし、そんなタンクアメリカンでも、
という条件で現在50万円台で購入可能なモノが存在します。
それがこのクロノリフレックスです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年11月 の安値(ヤフオク) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
タンクアメリカン クロノリフレックス LM W2601156 |
中古 | 9年 3ヶ月 |
¥526,050 | ¥539,000 | 12,950 | 102.46% |
クロノリフレックスのタンクアメリカンは、リーマンショック直後の2008年11月と現在の価格がほぼ同様というように、値動きしない傾向のモデルです。
2008年11月といえば、数多くの腕時計が前例の無いほど値下がりした時代。
例えば、ヨットマスターロレジウムの16622は、それまで中古が40万円台となることがありませんでしたが、この時期に40万円台にまで下落しています。そして2018年現在、ロレジウム16622は70万円台という水準まで復活しています。
そういった事情があるにもかかわらず、9年少しの期間でもほぼ値動きのないクロノリフレックス。
数多くの腕時計が値上がりした今、リーマンショック直後の2008年11月と同じ水準というこの時計は、高級モデルを気兼ねなく楽しめるという稀有な存在だといえるかもしれません。
また、カルティエやピアジェの場合、クロノグラフ=クオーツ、3針=機械式という構成が存在しますが、それらはタンクアメリカンほど価格が乖離していません。
ヴァンテアンの場合、クロノスカフ(クオーツ)のほうがオートスカフ(自動巻)よりやや高い傾向ですし、ピアジェアップストリームは3針(自動巻)のほうがクロノグラフ(クオーツ)より高いものの、その価格差は10万円以上という水準ではありません。また、同じタンクシリーズのタンクフランセーズもLM自動巻とクロノリフレックスは同水準といった模様です。
それに対して、タンクアメリカンの場合、現在3針自動巻モデル(WG)のボトム価格が約60万円台半ばであるのに対し、クオーツクロノグラフは11万円以上安いのです。