ルミノールベースは、プレヴァンドーム時代からあるモデルですが、その時代からPVDモデルも存在します。
PVDモデルは、パネライが新時代となったA番以降にも存在したのですが、2000年のC番時代からチタンに置き換えられたという経緯があります。
2000年に登場したチタン製手巻きモデルは、この55番とルミノールマリーナの61番。それらは両方とも、タバコ文字盤が採用されており、ステンレスモデルとは「やや違う」という特徴を備えていました。
それは、標準で採用された革ベルトにも見出すことができ、茶色のカーフが特徴的なステンレスのPAM00001に対し、チタンのPAM00061はこげ茶のクロコダイルとなっていました。
一見チタンのほうが、濃い要素があるようにも見えますが、2002年のパネライブームの際は、最もオーソドックスなステンレスモデルの人気が高いという状況。
ステンレスモデルは入手困難であったり、プレミア価格が当たり前といった様子なのに対し、チタンモデルは容易に手に入るという様子でした。
実際筆者も、その時期ステンレスモデルが欲しいと思いながら、チタンのPAM00061を購入した記憶があります。
しかし、そんなチタンモデルは2000年代後半になると、不人気な状況から逆転して、高値傾向なモデルへと変化。
2009年にPAM00055は中古30万円台後半という水準でしたが、この時期ステンレスのベースは20万円台で購入可能でした。
それから2015年頃までチタンのパネライはステンレスより評価されている傾向が続いていたのですが、近頃はステンレスと同水準に位置する模様です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年5月 の安値(ヤフオク) |
2018年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース PAM00055 |
中古 | 8年 10ヶ月 |
¥375,000 | ¥456,900 | 81,900 | 121.84% |
このPAM00055は2009年と比べて約8万円の値上がりですが、ほぼ同時期の比較でステンレスのPAM00002は14万円程度高くなっています。
55番は2002年に裏スケ化され、新リファレンスへとバトンタッチされたのですが、その後2004年にモデルチェンジされた際、タバコ文字盤でなくなりました。
このタバコ文字盤+チタンという色合いが、近年においては人気要素となっている要素。
これは40mmブレスレットモデルのPAM00069なども同様で、かつてオールサテンという要素が不人気でしたが、今となってはその“外し感”が逆にかっこよく、同時期のブレスレットの中で最も高いという傾向です。
69番が評価されている一方で、PAM00055は同じルミノールベースのステンレスモデルであるPAM00002と同水準となっている様子。
PAM00002もPAM00055も、時代によって評価が違う傾向があり、どちらにも良い要素があります。
そのため、今の水準としてはどちらも同じように評価されているということになるのだと思います。