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値下がり考察

ヨットマスター116655、値下がり事例の考察

2018年3月15日更新

2017年に多くのロレックスが値上がり傾向となった反面、2016年の夏頃は全体的に値下がり傾向でした。そのような時期において、ヨットマスター116655がどのような値動きになっていたかということを検証したいと思います。

ロレックス初のラバーベルトモデルとして2015年に登場したヨットマスター116655

ロレックスがラバーベルトモデルを展開したということは、当時大きなインパクトとなり、その唯一の存在であった116655は何かと注目度の高いモデルでした。

高級腕時計とラバーベルトという組み合わせは、かつては「意外な組み合わせ」と思われましたが、今となっては“ごく普通に存在するモノ”というキャラクター性を持っています。

ラバーベルトの高級腕時計は、1980年代においてウブロぐらいにしか存在しませんでしたが、90年代からブルガリが積極的に採用。ベルト付け根部分がブレスレットのような形状になっているブルガリのラバーベルトデザインは、今でも継承されています。

そして1997年には、パテックフィリップでも“高級腕時計+ラバーベルト”という組み合わせが採用。つまり、90年代において、既に高級腕時計の世界でラバーベルトは市民権を得ていたといえます。

しかし、ロレックスだけはラバーベルトモデルを用意すること無く、初のラバーベルトモデルとして2015年に登場したヨットマスターは、アクアノートの登場から18年後のデビューであるのです。

この116655のラバーベルトは、ロレックスの正式名称だと「オイスターフレックスブレスレット」というように、ブレスレットという扱いの模様。そのため、ベルト長さの調整は不可能。一般的なブレスレットとは異なりコマが存在せず、一体型のパーツであるため長さ調整には、ベルト自体を交換する必要があります。

116655には、専用色の黒ベゼルが装着されているのですが、「ラバーベルト+黒ベゼル+YG/PG」というデザインはブルガリオーデマピゲウブロなどでも見かける採用事例の多い配色だと思います。

そのデザインをロレックスが採用したということや、従来から見慣れていたヨットマスターに用意したという点が、デビュー当初から「初のラバーベルト」という要素に匹敵するほど大きな意外性だったのではないでしょうか。

そのため、ヨットマスター116655がデビューした2015年における新品実勢価格はとても高い水準であり、金無垢モデルということもあって260万円台という価格帯に位置しました。

しかし、その翌年である2016年にはロレックスが全体的に安くなるということがあり、その時期には57万円以上も安くなってしまったのです。

ロレックス ヨットマスター 116655¥3,498,000〜¥6,345,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2015年11月
の新品実勢価格(3社平均)
2016年9月
の新品実勢価格(3社平均)
変動額 残価率
ロレックス
ヨットマスター
116655
新品 0年
10ヶ月
¥2,659,333 ¥2,086,667 -572,666 78.47%

2016年9月は数多くのロレックスが安くなった時期ですが、2015年11月から1年も経たないうちに約57万円安くなるというのはだいぶ下がったという印象になるかと思います。

116655が下がった要因として考えられるのは、

  • デビューしたばかりだった
  • 注目度の高いモデルだったため、初値が高かった
  • 特殊なモデルなため、相場が乱高下気味
  • などの可能性があります。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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