昨年12月に中古が70万円以上となったヨットマスターロレジウム。
1999年に登場した16622は、デビュー直後はプレミア価格だったものの、その後は腕時計全体が高い時は高く、安い時は安いという分かりやすい相場となっていました。
リーマンショック前までは、安い時でも50万円を切るということは基本ありませんでしたが、リーマンショック後には中古が40万円台まで下落。最も安いといえる時期では45万円以下ということもありました。
しかし、2013年以降は値上がり傾向となり2015年8月には60万円台後半という水準に達します。2016年夏過ぎに一旦下落し、60万円前後という水準になりましたが、2017年に回復し、12月には70万円を超えたというのがこれまでの経緯です。
ロレジウムの中古が70万円台というのは、おそらくデビュー直後の2000年代前半以来のことだと思います。
かつてのロレジウムの値動きを考慮した場合、70万円台というのは感慨深い値動きともいえますが、他の5桁リファレンスの相場を考慮した場合、16622が70万円台というのは当たり前とも評価できるかと思います。
実際、ロレジウムの新品実勢価格が80万円台だった当時、サブマリーナデイトの16610の新品実勢価格は30万円台。それが、2017年では16610の中古が60万円台となっているわけですから、ヨットマスター16622が70万円台でも安いとすら評価可能です。
2017年12月において、ロレジウムが70万円台となった大きな理由は2つあり、1つは現行の116622における『プラチナ文字盤』の生産終了。もう一つは時計相場全体が高くなっているという点です。
2018年4月現在、ロレジウムに対して上記どの要素もマイナスとなるような影響がないといえますが、現在ロレジウムは70万円を切った個体が複数存在する状況であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥718,940 | ¥678,000 | -40,940 | 94.31% |
ロレジウムは2017年12月以降、基本的に70万円を切る個体が無く、稀に69万円程度の個体が出ることがあっても単数かつ比較的早く売り切れるという傾向だったため、この3ヶ月程度の期間は70万円台という相場を維持していました。
しかし、それが今では60万円台の個体がいくつも存在しているため、値下がり傾向と判断可能な状況なのです。
以前の記事でもお伝えしたとおり、ロレジウムは腕時計相場全体に相関する値動きとなるケースがある印象ですが、2018年において値下がり傾向となっている時計は目立たない印象があります。
また、現行モデルである116622は相変わらず値上がり傾向で、プラチナ文字盤はここ数ヶ月で5万円程度高くなっている状況です。
よって、16622の現在の値動きは、不思議な様子だと感じます。
これは、一時的なものなのか、それとも継続するのか、今後の動きが興味深いといえるでしょう。