96シリーズは、パテックフィリップで最もオーソドックスなモデルですが、その役割は2004年から5196が担っています。
パテックフィリップといえば複雑時計という印象が強いですが、その一方でシンプルな5196もパテックフィリップらしさという意味で大きなインパクトを与えているように思います。
このシンプルさと綺麗なバランスこそ、複雑時計とは別に存在するパテックフィリップの大きな個性。
近頃、パテックフィリップのラインナップはコンプリケーションモデルのバリエーションが多く、逆にシンプルなモデルは少なくなったように感じますが、2000年以前のパテックフィリップはコンプリケーションが少なかったため、シンプルな時計の印象が強かったと思います。
5196は、過去も現在もシンプルなモデルというコンセプトが変わらないため、現行モデルの中では普遍的な存在という印象があります。
しかし、そんな5196において普遍的でない点が存在。
それは、中古相場が変化するという点です。
パテックフィリップのエントリーモデル的な存在である5196。その中でも最もオーソドックスなのはイエローゴールドの5196Jだといえるでしょう。
そんな5196Jは、2009年頃において中古を100万円以下で購入することが可能でした。
しかし、現在の中古安値は162万円という水準になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年6月 の安値(ヤフオク) |
2018年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5196J-001 |
中古 | 8年 11ヶ月 |
¥980,000 | ¥1,620,000 | 640,000 | 165.31% |
5196Jに限らず、パテックフィリップの比較的新しいモデルの安値は100万円前後という印象がかつてありました。
しかし、そのような印象はもはや過去のもの。
特に5196Jのように、かつての印象とは似つかない相場となっているモデルもあるのです。
5196Jは2010年前後において100万円程度という水準でしたが、2013年3月の時点で約120万円まで上昇していました。
そして、2018年にはそれが160万円程度にまでさらに上昇しているのです。
カラトラバはラインナップが多く、シンプルなモデルも多いため、値動きしづらいモデルも存在します。
けれども5196は、パテックフィリップを代表するような有名モデルですし、人気の高い時計。
また、5196は現行モデルとしてラインナップされているモデルでもあります。
よって、「有名」「人気」「現行モデル」という3つの要素によって、5196の需要は高く、値上がりしたと推測できます。