パテックフィリップのステンレススポーツといえば、近頃ノーチラスの価格変動が目立っています。
値上がり傾向となっているノーチラスは、ステンレスモデルなら世代を問わずといったところで、現行世代は500万円台、1つ前の3800世代は200万円台後半となっています。
値動きが凄いことからノーチラスが“人気モデル”として目立っていますが、パテックフィリップにはもう一つのステンレススポーツが存在。
それこそがアクアノートであり、ノーチラスとともに人気のあるモデルという印象です。
近頃、ノーチラスが凄い値上がりとなっているため、ノーチラスとアクアノートは価格的には比較対象ではなくなってしまいました。
けれども、2年ほど前までノーチラスとアクアノートはかけ離れた中古価格帯ではなく、それより更に以前はアクアノートのほうがやや高いという水準が目立っていたように感じます。特に、2000年代前半まではアクアノートのほうが人気が高いという感じがありました。
当時、アクアノートは出たばかりの新しいシリーズだった一方、ノーチラスは80年代から基本形が変わっていない“古臭いモデル”という印象があったのです。
実際、2000年頃においてノーチラスの3800/1Aは1982年に登場してから既に20年近くが経っていました。バックルの形状や文字盤など年式による仕様違いは存在していたものの、その頃アクアノートのほうが遥かに新しかったため魅力的に見えたのは仕方がなかったと思います。
そんなノーチラスですが、先程のように近頃は年式を問わずステンレスモデルなら値上がり傾向。
ノーチラスのステンレスモデルの中でも最も高いのは、1976年に出た初代モデルの3700で700万円台以上という水準が目立っており、「初代モデル」という存在はノーチラスにとって重要な様子です。
では、アクアノートの初代モデルはどのような状況かというと、特に評価されていない様子です。
アクアノートは1997年に登場しましたが、その際出たのは5060A。
アクアノートの第一世代というと5066Aや5065Aという印象ですが、それは1998年に登場したマイナーチェンジ版なのです。
5066A以降、アクアノートは裏スケ仕様となっていますが、初代の5060Aは裏スケではありません。また、5060Aの時代にはラージサイズは存在せず、33mmのミディアムしかありませんでしたし、ブレスレットの/1Aモデルも存在しません。
そして5060Aは、裏スケでないという点から、いつの時代でも5066Aと比較して安い相場。
機械式アクアノートの中では最も安い立ち位置にいることが多い存在です。
そんなアクアノートの初代モデル5060Aですが、アクアノートの中で相対的に安いという立ち位置でも、2016年と比べると実は40万円以上も値上がり傾向。
1年8ヶ月という期間で約46万円の値上がりですから、実はかなり優秀な時計であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年9月 の安値(楽天) |
2018年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5060A |
中古 | 1年 8ヶ月 |
¥1,275,000 | ¥1,738,000 | 463,000 | 136.31% |
優秀な時計でも、近頃パテックフィリップではノーチラスの値動きが目立っていることから、アクアノート5060Aの値動きは目立たなくなっているように感じます。
けれども、実は1年8ヶ月で約46万円上昇という優秀な存在。
本来優秀でも、パテックフィリップのスポーツモデルとしては目立たなくなってしまっているのですが、紐解いてみると流石パテックフィリップのステンレススポーツといった値動きだと感じます。
また、このモデルは「アクアノートの中では比較的人気が無い」という立ち位置にいますが、初代モデルであるため、実は“濃い要素”を備えているという存在であります。
よって、今後どのような評価になるのか興味深いとも感じます。