パネライが時計ファンの中で市民権を得始めていた2001年頃、街には2016年より多くの高級腕時計を扱う店がありました。そういう店は閉店したのかというとそうではなくて、家電量販店やドンキホーテなどで今より積極的に高級腕時計が販売されていたのです。で、そういう店の基本ラインナップ「ブルガリ・カルティエ・オメガ・ロレックス」に「パネライ・フランクミュラー」が加わり始めたのは2001年秋ごろから2002年にかけてのこと。2001年の冬頃には近所のドンキホーテにこのPAM00069が新品価格37万8000円で販売されていたのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2002年5月 の最安値(ヤフオク) |
2016年3月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パネライ
ルミノールマリーナ40mm ステンレスブレスレット PAM00069 |
新品 | 13年 10ヶ月 |
¥378,000 | ¥528,000 | 150,000 | 139.68% |
37万8000円という新品価格は特別安かったわけではなく、ドンキホーテにかぎらず一般的な並行輸入腕時計を扱っている店なら37万円ぐらいがこの時計の相場でした。
当時、ステンレスブレスレットのパネライはルミノール40mmしかなく、そのラインナップも
の3つしかなかったのです。(あとクロノグラフのPAM00072)
当時の一番人気は黒文字盤で、それだけ43万円ぐらいしました。
当時エクスプローラ1(14270)を買って高級腕時計にハマってしまった人が3本目の時計としてPAM00050を買っていたと思います(彼らの1本目はオメガスピードマスター)。
そして、もっとも不人気だったのがこの青文字盤。
文字盤色が「青」という不人気要素に加えて、青文字盤だけなぜかベゼルもブレスレットも“オールサテン”仕上げだったのです。
パネライのリューズガードをイメージした特徴的なブレスレットは鏡面仕上げとサテン仕上げのコンビが良しとされました。
しかし青文字盤だけオールサテン。
結局、その後青文字盤もオールサテンから鏡面仕上げとサテンのコンビに変更となります。
当然リファレンスも変更に。
PAM00069からPAM00120になるのです。
(ちなみにPAM00069が52万円の現在、PAM00120は45万円です。)
すると、黒、白、青とも全部仕上げがおなじになり、オールサテンだったPAM00069が逆に“珍しく見える”のです。
で、PAM00069は2005年頃から値上がり傾向。
最初はかつての新品価格=中古価格という相場になったのが、40万円超えという相場になっていきました。
リーマンショック後に他の時計が値下がりした時もPAM00069だけは値上がりし、
2009年9月の相場は478,000円(ヤフオク)だったのです。
その後一時的に2006年頃の価格(それでも高い)に戻りますが、再度値上がりして今ほどの相場に。
私も実物を観ているうちに、PAM00069の魅力に引き込まれた一人なのですが、買った時期が幸いして2005年の値上がり前。
不人気な時計の中には「眺めているとツボだな」と思わせられるモノがあります。
この時計もまさにそれ!
単に不人気で不人気のまま終わる時計もありますが、「眺めているとツボ」だという要素がある時計はその後値上がり傾向になるので要注意。
かつて不人気だったロレックスのGMTマスターもこの時計とほぼ同じような価格推移。
不人気な時計だからといってナメてはいけないのです!