カルティエのパシャは近頃値下がり傾向となっているモデルが目立っていますが、パシャCにおいてもそれは同様な様子です。
パシャCは2000年代前半における新品実勢価格が20万円台後半で、当時のサブマリーナノンデイトと同価格帯に位置していました。
2000年代前半における中古相場も20万円台という水準で、たまに20万円を切った個体が出るということがあった際は「とても安い」と感じたことを覚えています。
そんなパシャCですが、リーマンショック後には中古が10万円台前半まで下落。
かつての新品実勢価格や中古相場からすると10万円台前半という水準はパシャCにとって史上最安値といえる水準でしたが、10年近く前にその価格帯となってから、長らく回復せず同じような水準が続いています。
ただ、10万円台という水準でも、程度の良い個体と程度が悪い個体とでは相場に差がある傾向がパシャCにはあり、程度の良いものに焦点を当てた場合、2017年など値上がり傾向となっている時期もありました。
そんなパシャCですが、オーソドックスな黒文字盤などは現在程度の良いモノが再度10万円台前半で買える状況となっています。
また、2016年といえばロレックスなど多くの腕時計が安かった時期ですが、その時期より2017年のほうが安く、さらに2018年のほうが安いという現象がその黒文字盤を含め、一部のパシャには起こっています。先日の記事でお伝えした、パシャ38mmN950のクロノグラフは2016年に40万円台だったのが、2018年の今では30万円台で購入可能ということはお伝えしたとおりです。
そんなパシャシリーズですが、値下がりとなっているモデルが目立つ一方、2016年と比較して値上がりとなっているモノも存在します。
それがこのパシャCメリディアンという存在です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャC メリディアン W31029M7 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥140,000 | ¥159,840 | 19,840 | 114.17% |
メリディアンは90年代から存在するパシャCのGMTモデル。
地球をイメージした専用文字盤仕様とし、さらに「メリディアン」という名称を与えたのは、カルティエらしいセンスが光る点だと思います。
そんなメリディアンという存在は、パシャCの中でも比較的知名度が高く、人気モデルといえる存在だといえるでしょう。
そしてこのメリディアンは、2016年11月と比較してやや値上がり傾向となっているのです。
ちなみにメリディアンにはいくつかのリファレンスが存在するのですが、中には見た目がそっくりなのにリファレンスが違うというモノがあります。
後期モデルでは黒文字盤が追加されたり、デイト表示部分の拡大鏡が省略されたりしたので、リファレンスの違いは分かりやすいのですが、第一次腕時計ブームの2000年前後において現行モデルだった「デイト拡大鏡付き」モデルには2つのリファレンスが存在するのです。
文字盤などを見る限り全く同じに見える2つのメリディアンですが、裏蓋を見ると“年式が違う”ということが分かります。
以前の記事でもお伝えしたように、パシャCには旧タイプの裏蓋と新しい裏蓋が存在。
新しい裏蓋は、発光塗料がトリチウムからルミノバとなった1998年か99年頃に登場した模様ですが、メリディアンの場合は新旧裏蓋でリファレンスが異なるのです。
ちなみに、見た目が変わらず裏蓋が新しくなったのはメリディアンに限らず、黒文字盤や白文字盤でも同様ですが、メリディアンのみリファレンスが変更されており、
となっています。
現在、この「拡大鏡付きモデル」はどちらのリファレンスでも特に価格に差があるという状況ではありませんが、2016年の個体とこの記事の個体はどちらも旧裏蓋のリファレンスです。