2005年前後は、ノーチラスにとって転換期だった時期ですが、その頃にレアノーチラスが登場したという様子は以前の記事でもお伝えしたとおりです。
そういったレアノーチラスの中の1つが、この5800/1Aという存在なのですが、何がレアなのかというと「2ピース構造で裏スケ」という点です。
現行モデルの5711/1Aを始めとしてノーチラスの「裏スケ」は珍しい要素ではありませんが、それらは3ピース構造となっています。
ノーチラスといえば、ジェラルドジェンタ氏がデザインしたということが有名ですが、彼が行ったのは見た目的なデザインだけではなく、構造的なデザインも含まれます。
それはロイヤルオークでも同様で、ノーチラスと同じようにベゼルが“裏蓋”的な役割を担っているといえます。
ですから、ノーチラスにとって2ピース構造という要素は、アイデンティティの1つといえるのです。ただ、現行ノーチラスが持つ裏スケという要素も捨てがたいといえるでしょう。
そうすると、伝統的な2ピース構造と、人気要素である裏スケという組み合わせは、まさに夢のようといえるのですが、その組み合わせはまさに幻といえるほど数が少ない傾向があるのです。
この5800/1Aの他に、もう一つ、2ピース構造で裏スケとなっているのは、3712/1Aなのですが、このモデルは製造期間が約1年というレアモデルであります。
5800/1Aは、製造期間が3712/1Aほど短くないものの、かなり数が少なく、近年中古を見かけるのは1年に一度程度の頻度だと感じます。
そして今回、久々に5800/1Aが売られているのを発見したのですが、1年前と比較してずいぶん値上がりしている様子です。
2017年6月の時点では、400万円台前半だったのが、2018年7月の今では600万円台後半となっています。
近ごろ、5711/1A青文字盤が500万円台となっていますが、5800/1Aはレアモデルであるため、それより更に高い水準となっているといえます。
2017年6月の段階でも5711/1A青文字盤は値上がり傾向でしたが、その時点ではまだ300万円台。
となっています。
2017年の時点で5800/1Aの400万円台という水準は、ステンレスのノーチラスとしては「かなり高い」という印象もあったでしょうが、今となっては「かなり安かった」といえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5800/1A-001 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥4,298,400 | ¥6,914,000 | 2,615,600 | 160.85% |
約1年前の段階でも、5711/1A青文字盤が「かなり凄い値上がり」という印象でしたが、その時点ではまだ400万円台に到達していなかったというのは、今となっては意外という感想にもなります。
5800/1Aは2017年において、ステンレスの3針ノーチラスとしてはいち早く400万円台となっていましたから、「かなり高い」という印象となったかもしれません。しかし、今となっては400万円台という水準は「かなり安かった」といえます。
それは、現在の5800/1Aの価格からだけでなく、5711/1A青文字盤の500万円台という様子を見てもいえることだと思います。