90年代後半の腕時計ブームの頃から、長らく人気モデルとして君臨しているスピードマスタープロフェッショナル。
2000年代前半における新品実勢価格は10万円台後半という水準だったため、多くの人から「はじめての高級腕時計」として選ばれた存在かと思います。
また、3570.50は90年代後半から2010年代中盤まで、20年近くの期間に渡り現行モデルとして存在。「人気」と「生産年数の長さ」により、かなり数が多い存在だといえるでしょう。
このように「はじめての時計」として選択されるキャラクターは、時計マニア目線から見ると「あまり興味を持てない」という場合が多いように思います。そのため、新品時には人気が高くとも中古となるとあまり人気がないという場合もあるのです。
しかし、このムーンウォッチに関してはそういったものとは例外で、マニアにも人気のある1本であるといえるでしょう。海外のインスタグラマーがデイトナとこのスピードマスターを並べて投稿する様子はよく目にします。
そのためなのか、数が多く決して珍しくない時計にもかかわらず、この数年において値上がり傾向となっています。
2013年1月における3570.50の中古相場は約14.9万円という水準でしたが、2017年2月には26.8万円にまで上昇しているのです。ちなみに、2015年頃においては20万円台前半だったため、年々じわじわと値上がりしているという様子だと感じます。
そんな3570.50という存在は、2018年の今、どのような水準になっているかというと、中古が30万円台(2018年8月3日現在)という水準に達しているのです。
2017年8月と比較して値上がりした額は2万円ですが、その値動き額より「30万円台」ということが、3570.50にとって重要だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター 3570.50 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥285,120 | ¥305,910 | 20,790 | 107.29% |
3570.50は先のように2000年代前半における新品実勢価格が10万円台後半という水準だった時計です。
そして、値上がりしたといっても、アベノミクス以降における新品実勢価格は30万円前後という水準で、新しい型番にチェンジされて以降も3570.50は30万円台前半で新品が入手可能なことも珍しくありませんでした。
また、2017年以前においては中古が20万円台前半という水準だったため、3570.50が30万円以上というのはかなりのインパクトがあるといえます。
ちなみに、3570.50は2017年8月以降において何度も30万円を超える水準になりそうな状況があったものの、「29万8000円」というような個体が出現するという状況が1年近く続いていたように思います。
しかし今回は、20万円台後半の個体が出ることはなく、中古でも30万円以上出さないと買えないという事態になっているのです。
3570.50の相場が30万円台になったというのは、長らくこの時計を知る人にとって驚く現象といえるかもしれません。
そして、2000年代前半において、はじめての腕時計として清水の舞台を飛び降りる覚悟で買った方にとっては、“20年近く前に買った時計が10万円以上も値上がりしている”という事態であるのです。