GMTマスターシリーズは2007年以降とても人気が高い状況となっており、116710BNLRが定価を上回るプレミア価格になっているというように、特に“色付きベゼル”のモデルの人気が高い状況です。
2017年頃からは、それ以前より更に人気が高い状況となっており、それまで十分に値上がり傾向だったモデルが更に高くなっている状況となっています。
例えば、5桁時代の16710は2000年代前半には人気がなかったため、新品実勢価格が30万円台前半という水準でしたが、2007年以降はリーマンショック後に多くのロレックスが安くなった時期でも中古が30万円台という水準。そして、2015年以降に至っては中古が50万円台となっていたのです。
それが2017年からは更に高くなり、それまで50万円台だった16710が80万円台まで上昇しています。
そして、2017年以降と以前において大きく違う点がもう1つあり、それはGMTマスターの16700が高くなったという点。
GMTマスターといえば、自然と「2」という印象が強いですが、それは「GMTマスター」が1999年でシリーズ廃止となったから。
そして、その最後のGMTマスターが16700という存在なのです。
しかし、その16700は2017年以前においては、同じ5桁同士の比較において「2」である16710より安いというのが当たり前でした。
例えば、2016年において青赤ベゼルの16710は65万円程度だったならば、16700は60万円を切る水準で購入可能だったのです。
それが2018年の今となっては16710が80万円台後半という水準であるのに対し、GMTマスターの16700は90万円台という水準に達しています。
つまり、今においてはGMTマスター2より「GMTマスター」のほうが評価されているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル 16700 |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥888,000 | ¥928,000 | 40,000 | 104.50% |
現在、16700には80万円台の個体がありますが、ABランク以上のモノについては既に90万円台に達してます。(2018年8月9日時点)
1年少し前まで16700は、GMTマスター2の16710より“安い”というのが当たり前でした。しかし、16700は1999年で生産終了となっているため希少価値が高く、「II」が無い文字盤というレアポイントも魅力的だと思います。
ですから、16710より16700のほうが高いという今の相場序列はとても理解できると感じます。
ただ、16700について最も感慨深いのは、かつて全くといっていいほど評価されておらず、特に2000年代前半においては不人気スポーツロレックスの代表的存在だった時代がありました。
そのような“不遇の時代”を経て、16700の中古がかつての新品実勢価格の3倍近い水準となったのは、とても凄いことだと思います。
世の中には、その時において“凄い”と思われていることがあり、多くの人がそれを「普遍的かつ当たり前」と思っています。
しかし、この16700の事例からは常識なんてあるようで無いのだということが思い知らされると感じます。