今年2018年のバーゼルで新作が発表されたゴールデンエリプスですが、そのモデルのデビューとともにこれまで存在していた3738/100が生産終了となりました。
3738/100は80年代から存在する模様ですが、2018年に生産終了となった3738/100は2005年頃にデビューした世代。
2005年頃デビューといえば、ノーチラスの5711/1AやGMTマスター2の6桁世代がそうであるように、現行世代に当てはまる比較的新しい世代だといえます。
けれどもゴールデンエリプスは、そのシンプルな見た目から一見すると1960年代からほぼ変わっていないようにもみえるかもしれません。まして、3738/100の場合、80年代頃からリファレンス自体が変わっていないため“古いまま販売されていたモデル”というようにも感じる方がいても不思議ではないでしょう。
しかし、この2005年頃デビューした3738/100という存在は、よく見ると以前のエリプスよりもきちんと新しく、近代的な香りがする時計だといえるのです。
2005年にデビューした3738/100には、YGとRGとWGがあるのですが、YG以外については新しい文字盤色が採用されたため、新作という印象。とはいえ、80年代から存在する青文字盤のYGについても、この際デビューした「-012」とそれ以前では雰囲気が違うと感じます。
具体的に変わった点は、バーインデックスの長さや、文字盤下のSWISS表記などの部分なのですが、この世代の3738/100は明らかに21世紀の香りがするのです。
ですから、この世代の3738/100という存在は、変わらないように感じる“古さ”と新文字盤の“新しさ”が混じり合い、かなり魅力的な世代と思います。
とはいえ、その内容はこのように紐解いてみないと理解し難いため、人気モデルといえない存在であるのは確か。
また、2005年世代のエリプスはかなり数が少ない傾向があり、特にWGとRGの中古は年に1度か2度ぐらいしか見かけません。
そして、筆者としては約1年ぶりにRGの3738/100R-001を見かけたのですが、昨年と比較してやや高くなっている状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ゴールデンエリプス 3738/100R-001 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥1,611,000 | ¥1,730,000 | 119,000 | 107.39% |
1年前には現行モデルだったこのモデルも、今となっては生産終了。
ただ、そのようなニュースがあっても、このようにマニアックなキャラクター性を持つモデルはすぐに影響が生じるわけではないでしょう。
それでも1年前と比較してやや上昇しているのは、ゴールデンエリプスというモデルの観点からするとかなり優秀ともいえるかもしれません。
筆者は個人的に、このエリプスが“ノーチラス”的な「珍味」の味がするため、魅力的だとと思っています。しかし、まだ世界的にも注目度は低いといえる状況だと感じます。