90年代後半から2000年代前半まで生産されたオメガダイナミック。
当時のラインナップにおける立ち位置は、廉価モデルという位置づけで、シリーズ中最も高かったこのクロノグラフのブレスレットモデルの定価でも10万円台という水準でした。
このダイナミックが現行だった時代は、ちょうど日本ではロレックスブームとなっていた時期で、オメガについても多くのモデルが注目されていたといえます。
しかし、当時注目されていたのはスピードマスターやシーマスター。また、比較的安く買うことができるという印象があった存在も、このダイナミックではなくスピードマスターのオートマチックという印象があり、ダイナミックには注目が集まらなかったといえます。
実際、スピードマスターやシーマスターはドンキホーテの各店でも当時よく目にすることがありましたが、ダイナミックに関してはドンキホーテだけでなく規模の大きいショップでも見かけることがありませんでした。
ダイナミックという存在は、その知名度の低さや、廉価モデルというキャラクターにより、最近まで特に注目されるモデルとはいえませんでしたし、それは上記の事情からしてもそんなに不自然なことではありません。
ダイナミックのクロノグラフ(ブレスレット版)は、2000年代から中古が10万円以下で購入可能という印象がありますし、その価格帯でいつでも手に入るというイメージがありました。
2014年頃には10万円以上という水準になったものの、2016年の時点では8万円台となっており、再度10万円以下という水準に戻っています。
ですから、ダイナミックはこれまで特に目立って評価されることはなかったといえます。
しかし、それが近年じわじわと高くなってきており、2017年12月の時点ではボトム価格が13万8000円という水準になっていました。
その水準は2016年12月と比較すると約1.8万円の上昇であり、2014年と比較してもほぼ同様の差という状況でした。
そして2018年8月の今、このダイナミック5240.50はさらに2万円の値動きとなっており、ついに15万円台という水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
ダイナミック 5240.50 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥138,000 | ¥158,000 | 20,000 | 114.49% |
ダイナミックという存在は、知名度が高いモデルというわけでもなく、特別レアという印象があるわけでもありません。
そのため、最近まで特に評価されていなかったというのは理解できるのですが、2017年以降から今にかけてじわじわと値動きしているのは、評価される状況に変化しつつあるといえるかと思います。
このダイナミックのミリタリーウォッチ的な雰囲気はとても格好良く、筆者個人的には新品時代には特に興味を持てなかったのに、近年はなぜか気になる存在になってしまっています。
ちなみに、インスタグラムを見ていても海外の方がこの時計を投稿する様子を目にし、その様子はかなり魅力的に写ります。
ですから、このダイナミックという存在は生産終了から20年近く経った今において、味わいのある時計と感じられるようになったのかもしれません。
ちなみに、2016年の時点では、ブルガリのクロノグラフとこのダイナミックを比較しましたが、2018年の今ではブルガリよりダイナミックのほうが高くなっています。
2000年頃におけるブルガリスポーツクロノの新品実勢価格は45万円だった一方、ダイナミックは定価でも10万円台でした。
それが今となっては、ダイナミックのほうが高い中古相場となっているのです。