カルティエのパシャ38mmは、腕時計ブームだった2000年前後という時期において現行モデルとして存在していましたが、その価格帯は「高級」という部類に位置するといえます。
ただ、当時のカルティエには雲上のライバル的存在だったCPCPや、金無垢専用だったタンクアメリカンなどが存在するため、最高級というわけではありません。
とはいえ、その新品実勢価格は、最も安いステンレスの3針が40万円台中盤、クロノグラフに至っては60万円程度という水準で、当時のフランクミュラーカサブランカ並の価格帯に位置していました。
その時期、ロレックスのSSモデルはデイトナを除くと新品30万円台という水準が主で、最も高かったエクスプローラーの実勢価格でも40万円台中盤でした。また、雲上スポーツは、ロイヤルオークやオーバーシーズが50万円程度、アクアノートが80万円台という新品実勢価格だったため、カサブランカやパシャ38mmのクロノグラフは「雲上スポーツと同等かやや安い」という価格帯に位置していたことになります。
2000年頃のパシャ38mmには、3針、3針グリッド、パワリザGMT、クロノグラフがありましたが、2001年には「黒文字盤+プラチナベゼル」仕様のN950が登場。
そして、2002年頃には3針グリッドの形状が立体感のあるものに変更され、型番も新たなものとなったのです。
その時期、パシャ38mmは人気の高い様子で、特に新グリッドやN950が目立っていたように感じます。
リーマンショック後に、パシャ38mmの中古相場は下落し、3針モデルが20万円台前半という水準になり、2010年代になっても回復していない傾向がありますが、2010年代において、N950や新グリッドは大きく値下がりしていなかった印象です。
特に新グリッドに関しては、2017年には値上がり傾向となっており、値下がりとなっていた他のモデルと異なる印象でした。
パシャ38mmにおいて、クロノグラフやN950は2010年前後という時期より2017年のほうが安いという値動きがあった一方、新グリッドは値上がりとなっていたのです。
その時期、新グリッドは30万円台後半という水準で、より上級なクロノグラフより高い中古相場となっていたのです。
しかし、そんな新グリッドモデルは、2018年の今となっては6万円以上の値下がりとなっている様子。
ただ、値下がりとはいっても、相変わらずクロノグラフと同水準か高いぐらいの価格帯に位置し、パシャ38mmの中では評価されているといえる状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値(楽天) |
2018年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W31059H3 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥379,800 | ¥312,900 | -66,900 | 82.39% |
パシャ38mmのグリッドモデルには、旧グリッドと新グリッドが存在しますが、それぞれリファレンスが異なります。
ただ、両者はよく似ているため、新グリッドのリファレンスで旧グリッドが登録されているケースが存在し、実際2017年11月に30万円台前半だった個体は、新グリッドのリファレンスでも旧グリッドだったのです。
現在では、複数ある30万円台前半の新グリッドリファレンスの個体には、きちんと立体感のある新グリッドが装着されています。
ちなみに、グリッドは交換可能であるため、旧グリッドの世代に新グリッドが装着されているということもありますが、文字盤下の「SWISS」部分がルミノバ仕様の「L SWISS MADE L」になっていれば、新しいモデルという可能性が高いでしょう。