日本限定といえば、116000が評価されており、その様子は以前の記事でもお伝えしたとおりです。
116000は『見た目が5桁世代のエクスプローラーなのに、6桁世代の要素を含み、なおかつオイスターパーペチュアルである』という点が目立つため評価されているのだと思います。
限定モデルといっても、評価されるモデルはそこまで多くなく、目立つ要素や文脈の面白さなど、何らかの強い特徴がないと評価されない傾向があるのは仕方がないといえます。
レアがレアであるということが認知されるためには、「通常はこうだ」という文脈が必要ですし、目立つ要素がないと数が少ない限定モデルは気づいてもらえません。
特にラインナップ数が多い傾向のブランドの場合、限定モデルと言われても、通常モデルとの差が何なのかピンとこないという傾向があっても仕方がありません。
それに対して、パテックフィリップやロレックスの場合、限定モデル自体が少ない傾向がありますし、その限定モデルも通常モデルと“ここが違う”という分かりやすい差があるのです。
このターノグラフ116263の場合、針、文字盤上の表記、デイト表示が緑のフォントですが、ロレックスではこのモデル以外に緑色のフォントが採用されているモデルは見当たりません。
特に、デイト表示の緑色はレア中のレアということができ、かなり異例なモデルであるということが分かります。
これは、通常版のターノグラフであれば、「赤」の部分が「緑」になったという単純な差なのですが、その小さな差がもたらす印象の大きさは絶大で、「分かりやすく、大きく違う」という効果をもたらしているのです。
そして、そういった日本限定はしっかり評価される傾向があり、このターノグラフ日本限定モデルも今年2018年1月と比較して約9ヶ月という期間で10万円以上高くなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値(楽天) |
2018年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ターノグラフ 日本限定 白文字盤 116263 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥1,218,000 | ¥1,348,000 | 130,000 | 110.67% |
ターノグラフは、それ自体がロレックスとしてイレギュラー要素多めのモデルですが、意外と評価されていない傾向があります。
例えば、ピンクゴールドステンレスコンビの116261は2013年7月から2018年6月までの約4年間で値動きした額は15万円。WGベゼルの116264は2016年8月から2018年5月までの2年近い間で約6万円の値動きです。
それら値動きに対して、日本限定は2018年1月から10月という1年未満の間で10万円以上の値動きとなっているのです。
さらに、ターノグラフの場合、ピンクゴールドコンビでも他のPG(RG)コンビモデルより安い傾向があり、現在116261は70万円台で購入可能です。
YGコンビよりも、高い傾向があるPG(RG)コンビモデル。それでも70万円台で購入可能なターノグラフですが、この日本限定となると130万円台という水準になり、通常モデルとはかけ離れた価格帯に位置していることが分かります。
現在価格だけを見ると、日本限定モデルはかけ離れて高いため、ずいぶん割高という印象です。
しかし、これまでの値動きを見ると日本限定モデルは値上がりとなっているため、選択肢としては間違っていなかったという印象になります。