GMTマスターシリーズといえば、ロレックスブームだった2000年前後といった時期には、最も不人気なスポーツモデルという存在でした。
当時、現行モデルが安いだけではなく、アンティークと呼ばれる4桁リファレンスも相対的に安く入手可能。6542のような特殊モデルは別でしたが、それを除くと、1675でも相対的に安かった傾向で、赤サブが50万円程度だったならば、25万円程度といったところで入手可能でした。
そんなGMTマスターシリーズですが、2007年に青赤ベゼルが廃止されると、それ以前とは逆に注目度の高いモデルへと変化。
スポーツロレックスの中で相対的に高い価格帯に位置するモデルになったのです。
その後もGMTマスター人気は年々高まっている状況といえ、2013年にデビューした116710BLNRは、デビュー当初からプレミア価格となっていましたが、2017年以降はさらに値上がりしている傾向があります。
また、5桁時代のモデルも年々高くなる傾向があり、2013年以前には40万円前後といった水準だったのが2015年頃には60万円台変化。
その時点で、過去と比較してずいぶん高くなったという印象となったでしょうが、その後も値上がり傾向は止まることなく、2017年には80万円台にまで上昇しています。
そして、今年2018年にはSSモデルにおいて約11年ぶりに青赤ベゼルが復活。
そんな216710BLROという存在は、新品実勢価格が200万円前後となるなど、定価の倍以上という水準となっており、GMTマスターシリーズの高い人気度を象徴しているような存在だといえるでしょう。
そんなGMTマスターシリーズは、シリーズ全体が人気といえる状況となっているように感じます。
値動きしているのは、80年代ヴィンテージモデルにおいても同様で、初代「GMTマスター2」である、16760もこの1年で目立った値動きとなっています。
では、同じ80年代ヴィンテージである「GMTマスター」16750の「フチあり」はどのような状況かというと、こちらも2017年から約1年3ヶ月の間で20万円以上の値動きとなっている様子。
同じ「GMTマスター」の16700が「2」より高い傾向がある現在、より古くレア度の高い16750のこのような値動きは、自然といえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル フチあり 16750 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥864,000 | ¥1,113,000 | 249,000 | 128.82% |
16750には、「フチあり」と「フチなし」があり、さらにそれより古い1675という存在もあります。
これらにおいて、「フチなし」のほうが高く、4桁のほうがより高いという傾向があるといえます。
けれども、先のように、2000年前後といった時代において4桁リファレンスの1675でも高い注目度とはなっておらず、同じ機械を搭載するエクスプローラー2の1655が当時から80万円台で売られていたにもかかわらず、1675は20万円台という評価だったのです。
1655は、現在、220万円以上という水準であるため、この16750より高い価格帯に位置することに違いはありません。
また、1675の現在ボトム価格は約139万円という水準であるため、1675と比較しても1655が高いことに変わりはありません。
そうすると、この16750や1675はどの程度優秀なのか、やや説明が難しいということになります。
GMTマスターシリーズは、5桁や6桁においてスポーツロレックスの中で相対的に高いという価格帯に位置する一方、4桁リファレンスの場合は6542を除くとそうではありません。
ただ、GMTマスターシリーズというくくりで見ると、16570は16700より10万円以上高く、値動きもしていることから優秀という評価になります。
5桁モデルの場合、かつてはスポーツロレックスの中で安い価格帯に位置していたのが、現在では高い価格帯となっているなど、その序列に変化が生じています。その一方、4桁リファレンスとなると、GMTマスターの立ち位置は相変わらず高い価格帯ではありません。
もちろん、4桁の場合、その価格帯は100万円以上という水準であるため、決して安くはないのですが、4桁ロレックス価格序列の面から判断すると、GMTマスターの立ち位置は2000年前後という時代から大きく変わっていないともいえます。
GMTマスターシリーズの16700や16710と比較という視点だと、16750の現在価格は優秀かつ自然な値動きという感想になります。
その一方で、いわゆるアンティークに該当するモデルの価格序列から判断すると、5桁ほどの優秀さを感じられないともいえます。