スピードマスターには「オリンピック記念モデル」がいくつか存在しますが、それは「デイト」と「ブロードアロー」に存在している模様です。
「オリンピック記念」というように、特殊な要素を感じさせるモデルの場合、通常モデルより高い傾向があるのかと思うところですが、ブロードアローの場合、通常版よりオリンピック記念モデルのほうが安い傾向があります。
ブロードアローというシリーズは、フレデリックピゲが搭載され、高級モデルという位置づけな存在です。
そのため、中古も相対的に高い水準となっており、2017年の段階で白文字盤は30万円以上という水準でした。
しかし、同じ白文字盤であるオリンピック記念モデルは、2017年において20万円台前半という水準。フレデリックピゲという高級ムーブメントを搭載しているにもかかわらず、かなり安価な水準に位置していたのです。
オリンピック記念モデルは、いずれのシリーズも文字盤のデザインが同じコンセプトとなっているのですが、その見た目は好き嫌いが分かれるのかもしれません。
例えば、オメガのロゴは旧タイプのモノであったりと、全体的にクラシカルな雰囲気を漂わせるデザインとなっています。
このように、ブロードアローでは、通常モデルよりも安い傾向のあるオリンピック記念モデル。
では、デイトではどのような評価となっているのかというと、なんと通常版より高い傾向があるのです。
この3513.20は、2004年頃にデビューしたモデルなのですが、同世代のデイトと比較して相対的に高い価格帯に位置しています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター デイト 3513.20 |
中古 | 8年 9ヶ月 |
¥120,750 | ¥181,440 | 60,690 | 150.26% |
現在、ABランク以上の3513.20は約18万円という水準ですが、通常モデルの3511.50はABランク以上のモノが10万円台前半という水準。実に、5万円程度、オリンピック記念モデルのほうが高い傾向なのです。
このオリンピック記念のデイトは、2010年と比較して約8年8ヶ月の間で6万円ほどの上昇となっていますが、このような値動きは、他のオメガでもよく見かけるため、特別凄い値動きというわけではありません。
しかし、オリンピック記念モデルという観点では、ブロードアローが評価されていないにもかかわらず、デイトの場合は通常版より評価されるというのは、興味深い点だといえます。
ブロードアローとデイトの違いは、インダイヤルの位置が『3、6、9』か、『6、9、12』という差。
横向きにインダイヤルが配置されて見えるのがブロードアローであるならば、縦方向に見えるのがデイトだといえます。
同じデザインの方向性のオリンピック記念モデルですが、デイトが相対的に高いという状況となっているのは、このデザインには“縦方向インダイヤル”があっているということなのかもしれません。