パテックフィリップの中で目立った値動きとなっているのは、スポーツタイプのモデルですが、その筆頭こそノーチラスという存在です。
パテックフィリップのスポーツタイプといえば、ノーチラスに加えて、アクアノートという存在もありますが、5年ほど前の常識であれば、アクアノートとノーチラスは同じような価格帯に位置していました。
また、それよりもっと前のことをいえば、ノーチラスよりアクアノートのほうが高い価格帯に位置していたといえます。
しかし、現在ではアクアノートの5167/1Aが300万円台なのに対し、ノーチラスの5711/1A青文字盤は500万円台。
アクアノート5167/1Aは近頃、300万円台となっていますが、ノーチラスの値動きが目立っていた2018年春頃においては、2014年より安い水準となっていたのです。
そのようなこともあるため、今となっては、ノーチラスとアクアノートは比較する対象ではなく、アクアノートはあまり値動きしないという印象すらあるかもしれません。
けれどもそんなアクアノートの中で、ノーチラスに匹敵するぐらい派手な値動きかつ、価格帯もなかなか高い水準にいる存在があります。
そのモデルこそ、アクアノート初のコンプリケーションモデルである5164Aという存在。
このアクアノートトラベルタイムは、今年2018年の7月に410万円台前半となっていましたが、それから4ヶ月後の今、さらに18万円以上高くなっており、420万円台後半という水準に達しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値(楽天) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5164A-001 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥4,109,550 | ¥4,298,400 | 188,850 | 104.60% |
かつて、アクアノートの人気モデルといえばブレスレットタイプでしたが、そのようなポジションが、今はトラベルタイムに変化したと感じます。
ラバーベルトという要素は、パテックフィリップの中ではアクアノートのみとなっているため、ブレスレットを選ぶならノーチラス、ラバーベルトならアクアノートという需要の棲み分けができているのかもしれません。
アクアノートのラバーベルトは、とてもつけ心地が良く、日常使いにとても良いと感じますが、3針だと物足りないと感じる人もいる様子です。
ジェラルドジェンタがデザインしたノーチラスの場合、シンプルな文字盤の評判が高いといえますが、アクアノートの場合はこのトラベルタイムのように煩瑣な文字盤の親和性が高いのかもしれません。
両方持っていた筆者としては、現行モデルというくくりで選択する場合、ノーチラスの5711/1Aとアクアノートの5164Aの2本が欲しいという思考になるのは、よく理解できます。
ノーチラスの場合、コンプリケーションより3針のほうが人気がある傾向があり、一時はコンプリケーションより3針のほうが高くなったこともあるぐらい、3針の人気が高いといえます。
その一方で、アクアノートの場合は、3針ブレスレットの5167/1Aに対し、このトラベルタイムは100万円以上高い水準となっているのです。
この数ヶ月、ノーチラスのコンプリケーションは、3針よりも値動きしている傾向ですが、それでも100万円の差はありません。(5711/1A青と5712/1A、5726/1Aなどの比較において)
ですから、『アクアノート×コンプリケーション』という組み合わせは、ノーチラスより人気だといえます。
ブレスレット同士の比較だと、ノーチラスとずいぶん価格差がある印象のアクアノートですが、この5164Aに関しては、それほど価格帯が離れているという印象がなく、この数ヶ月に関しては差が狭まっている状況となっています。