ラジオミールというシリーズは、もともと高級な存在だったということは、以前から何度もお伝えしている通りですが、このPAM00098もその時代にした“高級な”モデルです。
当時のラジオミールは、金無垢が基本となっていましたが、このGMTアラームのように、一部モデルにステンレスが存在。金無垢よりSSのほうが数が少なかったため、SSのラジオミールという存在は、「ステンレスのパテック」というような希少性があったといえます。
ただ、パテックフィリップのようにステンレスのほうが金無垢より高くなる、ということはありませんでした。例えるなら、ロレックスのヨットマスターロレジウムといったところで、高級シリーズのカジュアルバージョンという印象だったように思います。
このPAM00098がデビューしたのは2001年ですが、実はそれ以前において、このGMTアラームという存在は、さらに高級かつレアだったのです。
そのGMTアラームこそ、PAM00046なのですが、1999年に限定として登場。一見、98番と見た目は似ていますが、カレンダーやGMTの小窓部分の背景色が、46番が白なのに対し、98番は黒となっています。
ただ、そういった差よりも大きな違いが存在。その差こそ、46番がホワイトゴールドモデルという点です。
ですから、99年に登場した限定高級モデルの“限定”を解除し、SSとしたのが98番だといえ、まさに「高級感のあるカジュアルモデル」だといえるのです。
WGの46番より安いものの、98番という存在は、2002年頃にパネライが流行っていた際、他のラジオミールと同様、かなり高級なパネライという印象でした。
そして、その印象は2009年になっても変わることなく、当時の中古相場は約59万円という水準だったのです。
その時期、59万円に近い額で何が買えたかというと、デイトナ16523やデイデイトのブレスレットモデルが購入可能だったと思います。
ですから、98番という存在は2009年時点でも相対的に高かったといえます。
しかし、2017年の段階では、PAM00098は約53万円という水準に下落しており、98番自体の相場が下がったということに加え、周りの時計が値上がりしたことによって、相対的な価格帯も、以前ほど高いという印象でなくなったと思います。
そのため、かつての価格序列や、高級感という印象を考慮すると、2017年1月におけるPAM00098の水準はかなりお買い得と感じられたと思います。
そして、それから2年近く経った今、PAM00098は10万円以上値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の安値(楽天) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00098 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥537,840 | ¥645,840 | 108,000 | 120.08% |
60万円台という水準まで値上がりしたのは立派だと感じますが、かつて同じような価格帯だった他の時計と比較すると、その値動きは弱いともいえます。
その一方で、現在における他のパネライの価格帯を考慮すると、中古60万円台という水準は比較的高いという印象であるため、PAM00098の価格帯としては妥当とも思います。