ロレックスのスポーツモデルといえば、ブレスレット仕様という印象がありますが、以前からデイトナの一部モデルには革ベルト版が存在します。そして、この革ベルト版は、5桁時代においては、特に「異色な」存在でした。
5桁以降のモデルにおいて、革ベルトとブレスレットモデルとで、大きな違いはありませんが、5桁リファンレスの時代では、革ベルトのデイトナは大きく異なる印象だったのです。
まず、その印象の一つに、WGモデルが革ベルトにしか存在しなかったという点があります。
今となっては、WGデイトナはブレスレットモデルがごく当たり前にあるという印象ですが、WGブレスレットが登場したのは2004年のことなのです。
また、今のデイトナにはエバーローズゴールドやプラチナモデルがありますが、2004年頃においては、それらは存在しておらず、金無垢モデルはYGとWGしかなく、YGがメインでWGが希少種という印象だったのです。
そして、もう一つの異なる点こそ、革ベルトモデル専用に与えられたデザインという要素です。
5桁時代のYG金無垢モデルである16528のベゼルは、16520や116520などと同様のタキメーターとなっていますが、革ベルトの16518は、116500LNのように線を描くようなベゼル表記となっているのです。
また、文字盤も16528の場合は、16520と同じようなバーインデックスであるのに対し、16518となるとアラビア数字仕様となるのです。
ですから、5桁時代の革ベルトデイトナは、ベゼルと文字盤のデザインが違うという点と、WGが存在したという点が、他のデイトナと大きく異なるのです。
さて、そんな5桁時代の革ベルトデイトナという存在ですが、ここ数ヶ月の間で、大きく上昇している様子があります。
例えば、YGの16518は、現在189万円以上という水準になっており、10月からの2ヶ月で10万円以上の値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2018年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 白文字盤 16518 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥1,782,000 | ¥1,898,000 | 116,000 | 106.51% |
16518は、2017年7月まで148万円という水準で、デイトナの中であまり注目されていない存在といえる状況でした。
それが、2018年2月には約170万円という水準に達し、約半年で22万円ほどの値動きとなったのです。
そして、その後も16518は値動きし、10月には約178万円、この12月では約189万円となったのです。
もともと、16518はデイトナとしては評価されていなかった傾向ですが、これは目立たなかったからだと思います。
例えば、116518世代でもそうであるように、革ベルトデイトナはあまり目立った値動きをしない印象です。
そして、116518世代よりさらに1つ古い16518は、さらに地味という印象で注目度が低かったのでしょう。
しかし、この16518は、先のように特徴的な要素があるモデルかつ、エルプリ搭載でもあるのです。
ですから、一見するとその面白さが分かりづらくても、要素を紐解くと良さが分かるモデルだといえます。
そして、2018年には数ヶ月単位で10万円以上の値動きをするなど、評価されている様子となっているため、以前よりも注目する人が増えたといえる状況です。
ただし、このモデルは、2010年前後という時代において、16520より「やや高い」という価格帯に位置してました。
その頃の価格序列を考慮すると、今の水準でも、まだ優秀とはいえない側面もあります。
そのため、優秀さと優秀でないという点の両方をこの16518の今の様子から見ることができると思います。