ロレックスブームだった2000年前後という時代において、「すごく高い腕時計」という存在は100万円台だったと思います。
もちろん、その時でも300万円台という値段が付けられた中古の時計は存在しており、多くの人に認識されていたと思います。
しかし、その頃における300万円台という水準は、多くの人にとって「自分には関係ない」と感じる価格帯で、たとえお金あったとしても、手を出す人が少なかったように思います。
実際、その頃300万円台だったのは、YGのデイトナポールニューマンですから、買っていたならば今頃数千万円という値上がり体験をできたわけです。けれども、筆者を含め誰もが「買い」だと思っていたようには感じません。
その後の2005年前後という時代からは、2000年代前半と比較して腕時計が全体的に値上がりし、その時期における「すごく高い腕時計」という存在は300万円台に変化したといえます。
ただ、その後はリーマンショックなどが起こったことが影響してか、「すごく高い腕時計」という基準は、長らく300万円台という水準だったといえます。
しかし今、「すごく高い腕時計」の価格帯は大きく変わりつつあるように感じるのです。
大人気の腕時計として、ノーチラスの5711/1A青文字盤は有名な存在ですが、その価格帯は500万円台となっています。
このように、有名な「高い腕時計」が300万円台という水準から上昇したのは2017年頃からだといえますが、2019年の今ではそれがさらに高い価格帯になっていると思います。
この「すごく高い価格帯」の腕時計として重要な要素となるのは、多くの人に知られているという点や、値動きするという点だといえます。
このデイトナのプラチナモデルである116506は多くの人に知られているといえますが、2016年の段階で中古は500万円台という水準でした。
その際、筆者は500万円台という水準では、多くの人から手を出しやすいとはいえないため、値動きしづらいのでは、と思ったのですが、この116506はその後順調に値動きをしているのです。
前回、この116506をお伝えしたのは2017年12月のことでしたが、その際は約660万円という水準で、2017年7月と比較して58万円以上の値上がりとなっていたのです。
では、2017年12月から1年1ヶ月経った今、この116506はどのような水準になっているかというと、なんと約767万円となっているのです。
このプラチナデイトナは、600万円台というようにすでに十分に高いと感じた過去の価格から、さらに100万円以上も高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2019年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 116506 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥6,609,600 | ¥7,675,000 | 1,065,400 | 116.12% |
この116506という存在は、初のプラチナデイトナとして2013年にデビュー。
プラチナケースは、それまでスポーツモデルには存在せず、デイデイトがメインという印象がありました。
また、プラチナといえばアイスブルー文字盤という専用カラーがありますが、デイデイトのアイスブルー文字盤は、特に目立っていたように感じます。
そのように、最高級であるプラチナという素材と、それ専用であるアイスブルー文字盤が、大人気のデイトナというモデルに組み合わされるというのは、まさに夢のような組み合わせだといえるわけですが、その相場は多くの人にとって「関係ない」と思われる水準だともいえたのです。
ですから、いくら夢のような組み合わせでも大きな値動きはしづらいと思ったのですが、ところがどっこい、2017年以降は目立った値動きをしており、この約1年という期間でも100万円以上の値動きとなっているのです。
また、2016年12月の約561万円という水準と比較すると、約2年で約211万円もの値上がりとなっているため、ものすごい値動きをしたということになります。
このプラチナデイトナから感じるのは、まさに時代が変わったということだと思います。
今や、多くの人にとって関係あると思われる「高い腕時計」の金額は、700万円台という水準になったのだということが、このデイトナから感じるのです。