ホワイトゴールドという存在は、デイトナの素材として珍しくない印象がありますが、実は5桁時代まではレアな存在でした。
近年では、ローズゴールドなど多くの素材がロレックスには用意されていますが、かつてのロレックスではYG、ステンレス、そのコンビというのが一般的。デイトナにも、豪華な素材はYGしか存在せず、このWGモデルが登場したのは1996年になってからのことなのです。
デイトナといえば、2000年において一斉にモデルチェンジされた経緯がありますが、その際、このWGモデルも16519から116519へと変化。搭載するムーブメントも自社製となりました。
そのため、この16519という存在は、製造年が4年程度という短さに加えて、WGでエルプリメロというレアなモデルであるのです。
このような仕様は、今となってはかなり珍しいと感じます。
しかし、一見すると「単なる革ベルトモデル」にしか見えないため、以前までは特別評価されているわけではなく、同じ世代のYGより「やや高い」という価格帯に位置していました。
それは、2017年になってからも同様で、当時ステンレスの16520が数ヶ月ごとに10万円単位といったような値動きを見せるなか、この16519の値動きは目立っていませんでした。
WGのデイトナという存在は、かつては革ベルトモデルにしか用意されていませんでしたが、2004年にWGモデルのブレスレット版が登場して以降は、ブレスレットの影に隠れたという印象があるでしょう。
そのような印象は、現在の116519の相場を見ても感じることができ、通常文字盤の場合、デイトナの中ではあまり目立った値動きをしない傾向があります。
ただ、そういった値動きはオーソドックスな文字盤のモデルにいえることであり、メテオライト文字盤やデイトナビーチの場合、目立った値動きをする傾向があります。
ですから、革ベルトデイトナの場合、なにかしらの強い要素があるモデルが評価される傾向となるわけです。
さて、この16519という存在は、先の通り、
というレアモデルであるため、かなり強い要素があるのです。
そして、2019年の今、この16519はしっかりと評価されており、2017年と比較して100万円以上も高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 白文字盤 16519 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥1,580,000 | ¥2,676,920 | 1,096,920 | 169.43% |
5桁世代の金無垢革ベルトモデルの特徴として、ベゼルと文字盤のデザインが他のモデルと異なるという点があります。
特にアラビア数字のインデックスとなっている文字盤は、他のデイトナと異なる印象を与え、5桁時代の革ベルトらしさを強く主張しているように感じます。
そのようなことから、今、5桁時代の革ベルトモデルは、このWGに限らずなかなか評価されている状況です。
ただ、YGについては、評価されたといってもこのWGと比べるとだいぶ安い価格帯に位置しています。
16520を基準とすると、このWGの16519は16520より高い価格帯に位置し、YGの16518は16520よりも安い価格帯に位置する状況です。
これら3つのデイトナの価格序列は、時代によって大きく変化するのが面白いといえるでしょう。