2000年に高級なスピードマスターとしてデビューした「ブロードアロー」。
当時のスピードマスターにおいて、最も高級だったといえるSSモデルはムーンウォッチでしたが、それは高級なキャラクターというわけではありません。
それに対して、このブロードアローは、「高級」という要素を意識してラインナップされた存在であり、それまでのスピードマスターにはない要素を持った存在だといえるでしょう。
また、このブロードアローのデビュー時には、もう一つの高級モデルを用意。その存在こそ、ムーンフェイズなのですが、ベゼルがWGとなっており、やはり「高級」な要素を持っていた存在でした。
このムーンフェイズとブロードアローは、当時、兄弟的なモデルという印象で、お店でも雑誌でも2つ同時に並べられていることが多かった記憶があります。
ただ、ムーンフェイズは白文字盤が基本となっていたため、よく見かけるブロードアローは白文字盤。
そのため、ブロードアローといえば白文字盤、という印象があったといえます。
ブロードアローには黒文字盤も存在するのですが、そういった事情もあってか、黒文字盤の中古相場は白文字盤よりも安めです。
2016年にはブロードアローの白文字盤が、中古で30万円以上という水準となっていましたが、その時期、黒文字盤は約24万円だったのです。
ちなみに、2010年という時代でも、この黒文字盤ブロードアローは約26万円でしたから、2016年の水準は2010年より安かったのです。
2010年といえば、多くのオメガが安かった時代で、ムーンウォッチの3570.50は10万円台前半で購入可能でした。
2016年という時代において、3570.50は2010年の水準よりも10万円ほど高くなっていたため、黒文字盤ブロードアローの“2010年より安い”という水準は、異例だといえます。
しかし、そんな黒文字盤ブロードアローは2017年において20万円台後半となり、“2010年より高い”という状態まで回復。
そして、2019年現在において、この黒文字盤ブロードアローはついに30万円台という水準となり、2016年の白文字盤程度にまで上昇したのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2019年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター ブロードアロー 3551.50 |
中古 | 1年 5ヶ月 |
¥298,000 | ¥328,000 | 30,000 | 110.07% |
2017年9月から2019年2月までの1年5ヶ月の間において、この3551.50が値動きした額は3万円という水準ですから、値動きとしては決して派手というわけではありません。
しかし、長らく20万円台という水準だった黒文字盤ブロードアローが30万円台という水準になったということは、なかなかのインパクトがあると思うのです。
ブロードアローは、フレデリックピゲという高級ムーブメントを搭載した「高級なスピードマスター」ですが、この黒文字盤やオリンピックモデルなどは、2018年まで20万円台で購入可能だったのです。
しかし、2019年の今となっては、オリンピックモデルもこの黒文字盤も、30万円台という水準に達しており、以前のように「フレデリックピゲの最安値モデル」というわけではなくなっている様子です。