近年、GMTマスター2において人気がある要素といえば、カラーベゼルだといえます。
また、昨年2018年のバーゼルで5連ジュビリーが復活して以降は、「カラーベゼル+ジュビリー」という組み合わせが最も人気の高いGMTマスター2となりました。
ですから、それら要素を含まない「黒ベゼル、3連ブレスレット」の116710LNは、もっとも人気のない現行モデルだったわけです。
その相場は、5桁リファレンスと同等か、やや安いという位置が常であり、同じモデルでもカラーベゼルのBNLRとはずいぶんな価格差があったのです。
しかし、そんな116710LNは今、その名誉を完全に回復したといえる状況となっています。
昨年11月に約91万円だったのが、2019年3月の今ではなんと約127万円という水準。
たった数ヶ月の間で30万円以上も一気に値上がりしているのです。
その原因こそ、この116710LNが生産終了になったから。2007年にデビューして以来、オーソドックスなGMTマスター2として、希少性のなかった“黒ベゼル”“3連ブレスレット”という要素は、生産終了となった今では、逆に珍しい組み合わせとなったのです。
2007年以前の常識では、「青赤」より「黒」のほうが人気だったGMTマスター2ですが、「黒」が生産終了になった今、再度「黒ベゼル」への評価が高まりつつあるのではないかと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年11月 の安値(楽天) |
2019年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116710LN |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥918,000 | ¥1,274,400 | 356,400 | 138.82% |
この116710LNの現在相場は、2018年3月以前と比較してずいぶん派手に値上がりした印象ですが、それでも、今のところBLNRのほうが十万円単位で高い様子です。
そのため、黒ベゼルが生産終了となった今においても、依然としてカラーベゼルのほうが人気という状況に変わりないといえるでしょう。
しかし、以前と比較してこの116710LNはずいぶん目立って評価されているといえ、まさに黒ベゼルへの評価が高まったとも感じます。
先のように、黒ベゼルは2007年まではGMTマスター2の中で最も人気でしたし、2000年頃においては、青赤よりも高い相場だったぐらいなのです。
青赤よりも不人気となったきっかけは、まさに2007年に登場した6桁世代のSSモデルが黒ベゼルのみだったから。つまり、青赤は生産終了となって注目度が高くなったのです。
これら過去の事例を思い起こすと、GMTマスターシリーズにおいて人気が出るのは、生産終了となった色だとも感じます。
多くの人がGMTマスターシリーズを評価するきっかけとなるのは、「ないものねだり」のような感覚があるのは、面白い現象だと思うと同時に、筆者としても黒ベゼルが欲しいという感覚になっています。