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現在相場考察

生産終了の影響か?120万円台になった、GMTマスター2 116710LN

2019年3月31日更新
ロレックスのGMTマスター2116710LNについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年11月の安値(楽天)と2019年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年4ヶ月での変動は¥356,400だった。

GMTマスター2 116710LNについての考察(2019年3月)

近年、GMTマスター2において人気がある要素といえば、カラーベゼルだといえます。

また、昨年2018年のバーゼルで5連ジュビリーが復活して以降は、「カラーベゼル+ジュビリー」という組み合わせが最も人気の高いGMTマスター2となりました。

ですから、それら要素を含まない「黒ベゼル、3連ブレスレット」116710LNは、もっとも人気のない現行モデルだったわけです。

その相場は、5桁リファレンスと同等か、やや安いという位置が常であり、同じモデルでもカラーベゼルのBNLRとはずいぶんな価格差があったのです。

しかし、そんな116710LNは今、その名誉を完全に回復したといえる状況となっています。

昨年11月に約91万円だったのが、2019年3月の今ではなんと約127万円という水準。

たった数ヶ月の間で30万円以上も一気に値上がりしているのです。

その原因こそ、この116710LN生産終了になったから。2007年にデビューして以来、オーソドックスなGMTマスター2として、希少性のなかった“黒ベゼル”“3連ブレスレット”という要素は、生産終了となった今では、逆に珍しい組み合わせとなったのです。

2007年以前の常識では、「青赤」より「黒」のほうが人気だったGMTマスター2ですが、「黒」が生産終了になった今、再度「黒ベゼル」への評価が高まりつつあるのではないかと感じます。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年11月
の安値(楽天)
2019年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター2
116710LN
中古 0年
4ヶ月
¥918,000 ¥1,274,400 356,400 138.82%

この116710LNの現在相場は、2018年3月以前と比較してずいぶん派手に値上がりした印象ですが、それでも、今のところBLNRのほうが十万円単位で高い様子です。

そのため、黒ベゼルが生産終了となった今においても、依然としてカラーベゼルのほうが人気という状況に変わりないといえるでしょう。

しかし、以前と比較してこの116710LNはずいぶん目立って評価されているといえ、まさに黒ベゼルへの評価が高まったとも感じます。

先のように、黒ベゼルは2007年まではGMTマスター2の中で最も人気でしたし、2000年頃においては、青赤よりも高い相場だったぐらいなのです。

青赤よりも不人気となったきっかけは、まさに2007年に登場した6桁世代のSSモデルが黒ベゼルのみだったから。つまり、青赤は生産終了となって注目度が高くなったのです。

これら過去の事例を思い起こすと、GMTマスターシリーズにおいて人気が出るのは、生産終了となった色だとも感じます。

多くの人がGMTマスターシリーズを評価するきっかけとなるのは、「ないものねだり」のような感覚があるのは、面白い現象だと思うと同時に、筆者としても黒ベゼルが欲しいという感覚になっています。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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