700万円台という水準の腕時計を気軽に買える人は限られていると感じます。
そのため、2015年において新品実勢価格(3社平均値)が728万円だったデイトナ116506Aは、
という印象ながら、「当時の新品実勢価格より、その後の中古相場が高くなる」なんてわけがないと思われても仕方がない存在だったといえます。
しかし、2018年10月の時点で、116506Aの中古は約803万円となっており、2015年時点の新品実勢価格より75万円ほど高くなっていたのです。
以前の記事でもお伝えしましたが、「今の自分には買えないけど欲しい」と思われるような“憧れモデル”の価格水準は年々高くなっているといえますが、このデイトナ116506Aはそれを800万円台という額にまで上昇させた張本人だといえるでしょう。
そして、116506Aは、このような高価格帯でも、きちんと売れている存在だといえ、10月時点で記事を書いた時でも、対象となるボトム価格のモデルが記事執筆時点で売れてしまいました。
さて、そんな116506Aという存在ですが、800万円台という高価格帯ながら、2018年10月から半年後の現在にかけても、依然としてしっかりと値動きしています。
現在、116506Aのボトム価格は約824万円となっており、2018年10月から約21万円の値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2019年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 116506A |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥8,037,600 | ¥8,248,000 | 210,400 | 102.62% |
2014年に登場した116506Aは、ダイヤ文字盤のプラチナデイトナという存在ですが、その文字盤の特徴から、最も憧れのモデルという存在感となっています。
ダイヤ文字盤という存在は、5桁時代からデイトナにある仕様ですが、かつてのダイヤ文字盤はあまり評価されているとはいえません。
例えば、16523(白文字盤)は、現在約145万円ですが、ダイヤ文字盤の16523G(白文字盤)は約149万円。両者の価格差は4万円程度でしかないのです。
その一方で、116506と116506Aには、現在約96万円という価格差が生じているのです。
ですから、同じ「デイトナのダイヤ文字盤」でも、いかに116506Aが評価されているかが分かります。
かつてのダイヤ文字盤が「G」現在のダイヤ文字盤が「A」というように、そのダイヤの形状は変わっており、より豪華かつダイヤの存在感がさりげない今のダイヤ文字盤の人気が高いのだと思います。
また、アイスブルー文字盤のインダイヤルが、通常文字盤だとフチが黒となっているのに対し、ダイヤ文字盤だとフチ部分を含めてアイスブルーとなっているわけですが、それもまた高い人気要素となります。
こういった“差”により、通常文字盤とダイヤ文字盤の価格が100万円近い差となっているわけですが、こういったことが700万円以上という価格帯の腕時計に起こっているのは過去の常識からすると考えられないことでしょう。