レベルソは有名なモデルである一方、ラインナップがかなり多いため、その全体像を把握するのが困難な傾向があるといえます。
見た目もかっこよく、ケースが回転するという他の時計にはない特徴を兼ね備え、さらに機械は古くからの自社製。
そういった要素を見ると、レベルソという存在は、2010年代において目立った値動きをするモデルのように感じます。
しかし、2016年まではステンレスのビッグレベルソは、機械式でもあまり値動きしておらず、2016年11月の段階では30万円台後半で買うことができたのです。
ビッグレベルソは、現在のレベルソラインナップの中では、さほど「ビッグ」ではないものの、2000年代前半の時代においては「大きなほう」のレベルソでした。
サイズ的には当時のレベルソデュオと同等だといえ、2000年代前半当時において、コンプリケーション的な機構を含まないレベルソとしては、上級な部類だった存在だといえます。
ただ、2000年代中盤から、パネライをきっかけとした時計の大型化が進行し、大きなレベルソが続々登場。
その結果、ビッグレベルソは「ビッグ」とはいえない状況となっているのです。
レベルソの男性用として小さなサイズは、レベルソクラシックですが、クラシックにはクォーツが存在し、中古相場ではそれが、最も安い価格帯に位置します。
2016年の30万円台という価格帯は、今見るとクォーツの価格帯に思えてしまいますが、当時約39万円だったこの270.8.62は、手巻きムーブメントを搭載するビッグレベルソです。
では、2019年現在でもこのレベルソは、同じような水準なのでしょうか。
上記の通り、SSのレベルソはかつてあまり値動きしなかった印象もあるため、同じでも不思議ではありません。
しかし今、このビッグレベルソはしっかりと値上がりしており、約47万円という水準になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ジャガールクルト
ビッグレベルソ 270.8.62 |
中古 | 2年 6ヶ月 |
¥397,980 | ¥478,000 | 80,020 | 120.11% |
最近、ジャガールクルトの時計は、値上がりしたかと思ったら、安い個体が出現するなど、相場を読み取るのが難しい状況がありますが、ここ数ヶ月、この世代のステンレスに関しては、値上がり傾向ということができる状況だといえます。
先日も、レベルソデュオのSSモデルの値動きをお伝えしましたが、それと同世代のこのビッグレベルソも、同じように値動きしているのです。
2016年11月といえば、多くの時計が安い時期でしたが、その時期と比較しても相場が変わらない時計は多々あります。
しかし、ビッグレベルソの場合、
などということを考慮して、2016年の30万円台という水準は安かったため、そこから変化して当然とも感じます。