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現在相場考察

値上がり傾向、ビッグレベルソ270.8.62

2019年5月16日更新
ジャガールクルトのビッグレベルソ270.8.62について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年11月の安値(楽天)と2019年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年6ヶ月での変動は¥80,020だった。

ビッグレベルソ 270.8.62についての考察(2019年5月)

レベルソは有名なモデルである一方、ラインナップがかなり多いため、その全体像を把握するのが困難な傾向があるといえます。

見た目もかっこよく、ケースが回転するという他の時計にはない特徴を兼ね備え、さらに機械は古くからの自社製。

そういった要素を見ると、レベルソという存在は、2010年代において目立った値動きをするモデルのように感じます。

しかし、2016年まではステンレスのビッグレベルソは、機械式でもあまり値動きしておらず、2016年11月の段階では30万円台後半で買うことができたのです。

ビッグレベルソは、現在のレベルソラインナップの中では、さほど「ビッグ」ではないものの、2000年代前半の時代においては「大きなほう」のレベルソでした。

サイズ的には当時のレベルソデュオと同等だといえ、2000年代前半当時において、コンプリケーション的な機構を含まないレベルソとしては、上級な部類だった存在だといえます。

ただ、2000年代中盤から、パネライをきっかけとした時計の大型化が進行し、大きなレベルソが続々登場。

その結果、ビッグレベルソは「ビッグ」とはいえない状況となっているのです。

レベルソの男性用として小さなサイズは、レベルソクラシックですが、クラシックにはクォーツが存在し、中古相場ではそれが、最も安い価格帯に位置します。

2016年の30万円台という価格帯は、今見るとクォーツの価格帯に思えてしまいますが、当時約39万円だったこの270.8.62は、手巻きムーブメントを搭載するビッグレベルソです。

では、2019年現在でもこのレベルソは、同じような水準なのでしょうか。

上記の通り、SSのレベルソはかつてあまり値動きしなかった印象もあるため、同じでも不思議ではありません。

しかし今、このビッグレベルソはしっかりと値上がりしており、約47万円という水準になっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年11月
の安値(楽天)
2019年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ジャガールクルト
ビッグレベルソ
270.8.62
中古 2年
6ヶ月
¥397,980 ¥478,000 80,020 120.11%

最近、ジャガールクルトの時計は、値上がりしたかと思ったら、安い個体が出現するなど、相場を読み取るのが難しい状況がありますが、ここ数ヶ月、この世代のステンレスに関しては、値上がり傾向ということができる状況だといえます。

先日も、レベルソデュオのSSモデルの値動きをお伝えしましたが、それと同世代のこのビッグレベルソも、同じように値動きしているのです。

2016年11月といえば、多くの時計が安い時期でしたが、その時期と比較しても相場が変わらない時計は多々あります。

しかし、ビッグレベルソの場合、

  • マニュファクチュール
  • 手巻き
  • 独特なケース
  • 2000年代前半頃、多くのロレックスより高い相場だった
  • などということを考慮して、2016年の30万円台という水準は安かったため、そこから変化して当然とも感じます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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