多くの腕時計が高いと感じる今において、ほぼすべての腕時計が値上がり状態だと感じている方もいるでしょう。
しかし、意外にも、リーマンショック後という安い時期と比較して、相場が値下がり傾向であったり、相場が変わっていないという腕時計は多々存在するのです。
そういったモデルは、なにか訳ありというわけではなく、腕時計ファンが重視する性能を兼ね備えながらも、不思議と値動きしない時計があります。
そういった傾向が多く見られるのは、IWCですが、ブランド的にも腕時計作りの観点でも、世界的に人気が高いという印象がある一方で、2010年前後という時代と比較して値動きしてない腕時計が多い傾向があります。
そのようなことは、2017年の記事からお伝えしているのですが、一部のモデルに関しては、2018年頃から値上がり傾向となるものが出てきました。
特に、アクアタイマーGSTや、パイロットウォッチなどはそれに該当します。
しかし、その一方で、相変わらず値動きしていないモデルが存在。
それが、このインヂュニアであるのですが、2年前と比較して約1万円の値下がり状態となっています。
ちなみに、2010年12月においてこのインヂュニアIW322701は約39万円という水準だったため、2年前も現在の水準も、現在の水準でも2010年より安く買えるという状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
インヂュニア IW322701 |
中古 | 2年 0ヶ月 |
¥340,000 | ¥329,400 | -10,600 | 96.88% |
インヂュニアは、IWCの耐磁時計として有名ですが、年式によって見た目が大きく変化するということがあります。
このIW322701は2005年に登場した比較的新しい世代で、ロレックスの6桁に相当する年式なのですが、現在でも30万円台前半という水準で購入可能。
ブレスレット、防水、機械式といえば、高級腕時計選びの王道ですが、インヂュニアはそれに耐磁性能という要素が加わります。
ですから、安く購入可能な王道モデルであるわけで、IWCというブランドからしても、非の打ち所がない時計ともいえるかと思います。
しかし、このIW322701は、前回お伝えした2年前から価格がほぼ変わっていないのに対し、当時「割高」と思われた人気モデルの多くは、数十万から数百万円単位の値上がりとなっています。
このようなことは、“結局お得なのはどちらか”と考えさせられますが、「絶対に売らない」という前提なら、購入価格が安いほうがリスクが少ないともいえます。
ただ、「売らない」と言っている人でも、結局その後売っているということはよくあることですし、結果的に売らなかったとしても、自分の腕時計が値上がりするのは嬉しいともいえるでしょう。
そういったことを考慮すると、このインヂュニアはどのようなシーンに向くのかというと、腕時計ファンの普段遣い用途として良いのではと感じます。
コレクションしている腕時計の主な価格帯よりも「安い」モデルを“普段遣いの1本”とした場合、このIW322701は良いと思うのです。このインヂュニアは、現在5桁エアキングと同水準で購入可能なのですが、かつての実勢価格や定価を考慮するとかなりなお得感があるといえるのではないでしょうか。
実際、2010年時点の中古約39万円という水準は、当時の16710や16613よりも高い水準。それらが、現在90万円以上という水準になった一方、このIW322701は2010年よりも安い水準で購入可能なのです。