2010年に登場した現行世代のエクスプローラー。2016年には文字盤と針の形状が新しくなり、異例のマイナーチェンジを受けています。
2016年の変更の際、リファレンスが変わらなかったため、この214270には、大きく2つの相場が存在することになってしまっています。
当然、高いのは2016年に登場した「新しいエクスプローラー」のほうであるのですが、“安いほう”の2010年デビューの前期文字盤より10万円程度高い傾向があります。
そして、前期文字盤の相場は、6桁スポーツの中で最も安いという傾向があり、近頃は2016年にデビューしたエアキングと同じような相場という印象があります。
この214270の前期文字盤は、2016年に値下がりしたことがあり、2016年3月時点では約51万円だったのが、2016年8月には約43万円となっています。
2016年8月といえば、この214270に限らず多くのロレックスが安くなった時期ですが、このモデルには他のロレックスと大きく異なる点があります。それは、2016年以降の回復が地味という点です。
他のモデルの場合、2016年夏頃に安くなった反面、その後は反発するかのように値上がりしたという経緯があり、そういった傾向は、116710BLNRなどに特に当てはまります。
しかし、214270の前期文字盤が2016年3月時点の水準である50万円台前半に回復したのは、2017年8月になってからのこと。
2016年8月に値下がりしてから、回復するまでに実に1年という期間を要しているのです。そして、214270前期文字盤の水準は、回復後もそのまま50万円台に留まっている状況が続いてました。
そのような傾向は、2019年でも見られたため、2016年前半と2019年前半の水準が「あまり変わっていない」という様子だったのです。
他のロレックスの場合、2016年の水準を今見ると「びっくりするぐらい安い」と感じることも珍しくありませんが、エクスプローラーの場合、2016年でも2019年でも50万円台という水準なのです。
しかし今、そんな214270前期文字盤の水準が久々に変わった様子であるのです。
現在、214270前期文字盤のボトム価格は約62万円となっており、なんと2016年から3年ぶりに、50万円台という水準を脱したのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年8月 の安値(楽天) |
2019年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー (前期文字盤) 214270 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥580,000 | ¥625,000 | 45,000 | 107.76% |
この世代のスポーツモデルで最も値動きが地味と感じるのは、ミルガウスの116400だといえますが、実は2016年の春頃において、116400白文字盤は40万円台後半という様子でした。
しかし、今では116400白文字盤は、70万円台という水準になっています。
そういった意味では、この214270前期文字盤が、6桁世代のスポーツ系で、最も値動きしないモデルだといえるかもしれません。
ただ、こういったモデルは、筆者としては要注意だと思います。
なぜなら、現在の人気モデルは過去の不人気というように、人気モデルというポジションには天変地異が起こることがあるからです。
特に214270の前期文字盤のように、
という傾向があるモデルは、要注意だといえます。
ただ、そういった指摘は2年前からしているものの、未だ大きく214270前期文字盤の評価は変わる傾向がありません。
今後どうなるかは当然分かりませんが、この214270前期文字盤に対する評価が変化する可能性は無いとはいえないでしょう。