2ピース構造で裏スケ、というノーチラスは、1976年のデビューから、これまでの間において、たった2つのモデルしかありません。
その1つは、10年ほど前から「レアノーチラス」として有名な3712/1Aですが、超レアと言われるだけあっていつの時代も相対的に高い水準となっています。
そして、もう一つの2ピース裏スケノーチラスが、この5800/1Aなのですが、こちらも基本的には他の3針ノーチラスと比べて高い水準に位置していました。
ただ、「位置しました」というように、それは既に過去のこと。
最近、5711/1Aがものすごい派手な値動きとなっているのですが、ついに5711の青文字盤が5800を抜かしてしまったのです。
それは、5月時点の記事でお伝えしたのですが、当時の5800/1Aは2018年から大きく相場が変わっていなかったのに対し、5711/1Aは大幅な値上がり状態。
5月において、5800/1Aは約688万円だったのに対し、5711/1A-010は708万円という水準に達していたのです。
さて、それから2ヶ月が経過したわけですが、現在の様子はどうかというと、なんと5800/1Aが派手に値上がりしている状態となっています。
5800/1Aはもともと数が少ない時計ですが、近頃2本もの中古が登場。そのいずれもが700万円台となっているのです。
2019年5月に約688万円だった5800/1Aは、7月現在では782万円という水準。2ヶ月という短期間で、驚くことに約94万円もの上昇となっているのです。
とはいえ、この水準では5711/1A青文字盤の相場を抜けていない様子。現在、5711/1Aの青文字盤は、そのいずれもが800万円以上となっている様子ですが、それに対して5800/1Aは700万円台後半であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
2019年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5800/1A-001 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥6,880,400 | ¥7,825,000 | 944,600 | 113.73% |
これまで、5800/1Aは5711/1A青文字盤より100万円程度高い水準に位置していましたが、2019年5月からは5711/1A青文字盤より安い価格序列となってしまっています。
5711/1A青文字盤の値動きがすごいため、抜かされるのは仕方がないともいえますが、現行モデルがそういった値動きをする際、これまでの事例では、過去のレアモデルがより高くなるということが珍しくありません。
例えば、デイトナの現行モデルが高くなったとしても、さすがに4桁モデルの水準を上回ることはないでしょう。
実際、116500LNは、現在、数ヶ月で数十万円という派手な値動きとなっていますが、4桁は1000万円以上の水準が目立つなど、派手な値動きの116500LNをもってしても歯が立たない状況です。
それに対して、5800/1Aは、レアモデルとしてこれまで評価されていた実績がありながら、今では5711/1Aに抜かされてしまっている状況。
2ヶ月で約94万円という派手な値動きをしていても、5711/1A青文字盤に負けてしまっているのです。
そういった意味では、この「2ピース構造で裏スケ」というレアモデルが、今後5711/1A青文字盤に対してどのような動きとなるのか、興味深く見守っていたいと思います。