1997年頃登場した黒文字盤のノーチラス。
特殊な機構のパワーリザーブインジケーターを搭載した、ジャンボサイズの3710/1Aとともに、3800/1Aにもこのデザインの黒文字盤がラインナップされましたが、当時としては、「新しい時代のノーチラス」という印象でした。
伝統的なノーチラスといえば、エンボス加工がされた青文字盤が特徴的で、近年ではそれが最も人気という傾向があります。しかし、2000年前後といった時代では、「古臭い」という印象があり、あまり人気が無かったのです。
それに対して、この黒文字盤は、新しいという印象。まさに、21世紀のノーチラスという感覚がありました。
今とは違い、ノーチラスの注目度が低かった2000年前後という時代、ノーチラスを取り扱うお店は限られていましたが、たまに見かけるノーチラスのほとんどは、この黒文字盤だったといえます。
しかし、その後パテックフィリップは、再度青文字盤をノーチラスの中心的存在に戻し、それが今では大人気という様子。
2000年前後という時代では、あまりレア感の無かった黒文字盤ですが、2019年の今となっては、逆に珍しいと感じるようになっているといえます。
実際、3800/1Aの黒文字盤は、
という要素があるわけですが、これは他のノーチラスでは「ありえない」アイテム。やはりレアだと感じるわけです。
そのようなレア感からか、この3800/1A黒文字盤は、近年目立って評価されている様子があります。
2019年といえば、上半期は目立って上昇したモデルが多かった反面、7月以降は値下がりするモデルが目立っていますが、この3800/1A黒文字盤は上昇傾向という状況です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-001 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥3,380,000 | ¥3,706,920 | 326,920 | 109.67% |
2018年10月に338万円だった3800/1Aですが、現在では約370万円という様子。11ヶ月という期間で、32万円ほどの上昇となっています。
以前の記事でもお伝えしているように、「マニアック・レア」という要素があるモデルは、7月以降も値下がり傾向となっていない様子がありますが、まさにこの3800/1A黒文字盤もそれに該当する例だといえるでしょう。
このようなマニアックな存在は、「知る人ぞ知る」という感覚で、一定のファンがおり、個体数も少ないため、需要<供給となりにくいのだと思います。
また、すでに現行人気モデルをある程度入手した人が一定数いると推測できる今、そろそろ「現行・人気」には飽きて、次のステップに移行、という心理になっているのかもしれません。