2007年にシリーズ復活を遂げたミルガウス。
その際、3つのモデルが登場したのですが、中でも目玉となったのがこの116400GVです。
116400GVといえば、今では黒文字盤の他に、Zブルー文字盤が存在しますが、デビュー当時は黒文字盤のみでした。ちなみに、2007年以外に登場したのはZブルー文字盤しかなく、それも2014年の登場です。
GVでないほうの116400は、今では黒文字盤、白文字盤ともに生産終了となっているため、現行のミルガウスは、116400GVしかありません。
その116400GVの中でも、後に登場したZブルー文字盤のほうが相場が高いため、この黒文字盤は、2007年時点で「かなり目立っていた」という記憶は、多くの人から消えつつあるかもしれません。
しかし、この116400GV黒文字盤こそ、当時のSS現行モデルとしては最高値だった存在。当時最も高いという印象だった、デイトナ116520黒文字盤ですら140万円台という新品実勢価格だったのに対し、116400GVは180万円という水準だったのです。
それが、翌年2008年にリーマンショックが発生すると、116400GVは新品でも60万円台という水準にまで下落。2008年6月時点の新品実勢価格(安い順の3社平均)が約158万円だったのに対し、2018年12月では約65万円(安い順の3社平均)となっていました。
そんな116400GV黒文字盤ですが、2008年当時に値下がりしたとはいえ、実は価格序列の面では他のロレックスと比較して「安い」という印象はなかったといえます。
なぜなら、60万円台という水準でも、ミルガウスより高いSSスポーツはデイトナぐらいだったため、他の同世代よりも高い状況に変わりがなかったのです。
けれども、2013年のアベノミクス以降、他のロレックスが上昇傾向となる中、この116400GV黒文字盤については、あまり目立った上昇とはならず、2017年3月時点でも、2012年1月と比較した価格差が約4.6万円にとどまっていたのです。
2017年3月時点では、多くのロレックスが2012年と比べて10万円以上の上昇となっていたため、価格変動が5万円以下という116400GVは稀有な存在だったわけです。
そんな116400GV黒文字盤ですが、2017年以降はそれ以前と比較して上昇するように変化。
2018年8月には70万円台という水準に達し、リーマン直後の新品実勢価格を上回ったのです。
さて、それから現在では約1年が経過したわけですが、この116400GV黒文字盤は、どのような状況となっているかというと、値上がりしている様子です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年8月 の安値(楽天) |
2019年9月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ミルガウス 黒文字盤 116400GV |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥710,640 | ¥748,000 | 37,360 | 105.26% |
この1年で116400GVが値動きした額は、約3.7万円の上昇であるため、他のSSスポーツと比べるとかなり地味な動きと感じます。
2019年7月以降、多くのロレックスが値下がり傾向となりましたが、それでも2018年と比べると、多くのモデルは今でも数十万円単位で高い傾向。
そのため、1年での変動額が3.7万円の116400GVは、はやり地味という印象になります。
しかし、2012年から2017年の変動を考慮すると、これでも116400GVとしては優秀といえる側面もあるわけです。
アベノミクスを挟んだ5年でも約4.7万円の変動だった116400GV。それが、2019年7月頃の値下がり傾向を含んだこの1年という期間で、約3.7万円の上昇となっているのは評価しても良いと思います。