派手に値動きする腕時計といえば、デイトナ、もしくはノーチラスの3針モデルという印象がありますが、それらよりさらに凄いといえるのが、このクロノグラフのノーチラスです。
デビューしたのは2006年ですが、パテックフィリップ初の自社製クロノグラフムーブメントを搭載したのはかなり意外でした。それまでノーチラスにはコンプリケーションモデルがほぼ無かったため、新しい機械をノーチラスから導入するということは、想像もつかないことだったのです。
2006年にデビューしたのは、青文字盤の5980/1A-001ですが、2010年には黒文字盤の5980/1A-014が登場。ノーチラスの場合、最も高値なのは青文字盤という傾向がありますが、この5980/1Aに関しては、黒文字盤の-014が青文字盤よりも高い傾向があり、例えば、-014が800万円台後半となった2018年4月において、青文字盤の-001は600万円台という水準に留まっていたのです。
そのため5980/1A-001は、「青文字盤のノーチラス」でありながら、黒文字盤の影に隠れるような存在感となっていたわけです。
しかし、そんな青文字盤の5980/1Aも、2019年になると1000万円以上という水準に到達。黒文字盤よりは安い水準だったものの、もはや影に隠れるという印象ではないと感じます。
この5980/1A-001は2019年5月に1180万円という水準となったのですが、2018年12月には858万円だったため、その際の値動きとしては5ヶ月で322万円の上昇という様子でした。
さて、2019年5月といえば、このノーチラスに限らず、様々な人気モデルが派手に値上がりしていた時期ですが、その後、夏頃からそれらモデルは値下がりに転じています。
では現在、この5980/1A-001はどうかというと、なんとこちらは11月でも値下がりとはなっていない様子。
それどころか、なかなかの上昇傾向となっており、5月と比較して約62万円の値上がりという様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年5月 の安値(ヤフーショッピング) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-001 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥11,800,000 | ¥12,423,600 | 623,600 | 105.28% |
2019年5月と11月との間には、消費増税があったため、この値上がりは、単に消費税分が加算されただけとお思いの方もいるかもしれません。
しかし、5月時点の水準を消費税10%に換算すると、その金額は約1201万円となるわけで、今の水準より40万円以上安いということになるのです。
なお、以前の記事でも書いたように、ノーチラスを始めとするパテックフィリップは、ロレックスの1ヶ月遅れで値動きするという傾向があるようにも感じ、実際5711/1Aは、文字盤色問わず9月頃から値下がり傾向。また、5712/1Aに関しても同様の動きとなっています。
他のノーチラスにおいて、そういった傾向があるにも関わらず、この5980/1A-001は11月現在でも立派に値上がり状態。
ノーチラスのラインナップの中で最も派手な値動きと感じるこのクロノグラフが、2019年夏過ぎにおいて値下がり傾向とはならず、値上がりが続いているというのは、とても興味深い現象だと感じます。