2000年、デイトナは自社製ムーブメントを搭載したモデルに一斉にチェンジされましたが、その際新たに登場した仕様がいくつかあります。
中でも有名なのが「デイトナビーチ」ですが、それまでのデイトナでは考えられないカラフルな配色が話題となりました。
デイトナビーチは、尖った存在であるため、2019年現在でも特別なデイトナとして有名な存在でありますが、その一方であまり目立たないと感じるレアモデルも存在します。
それこそこの116518NRであるのですが、ブラックシェルが特徴的な1本で、2000年のデビュー当時、雑誌などでも大きく取り上げられた様子がありました。
ブラックシェルのデイトナに対して、なぜレア感を感じるかというと、それ5桁世代の激レアモデル16516という存在の影響だといえます。
デイトナのプラチナモデルといえば、2010年代になってから登場したという印象がありますが、実はエルプリ時代にもごく少数が存在していたことが明らかになっています。
といっても、一般市場向けに販売されたというわけではないため、通常のレアものとは評価軸が異なるといえ、その価値も1億円程度という水準となっているわけです。
そして、そのプラチナエルプリこそ、この116518NRと同じブラックシェル文字盤が採用。また、革ベルト仕様となっています。
そういった意味では、この116518NRは特別仕様を通常バージョンにした存在ともいえるわけで、まさに尖った要素を持つ1本だといえるわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年9月 の安値(ヤフオク) |
2019年12月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ ブラックシェル文字盤 116518NR |
中古 | 7年 3ヶ月 |
¥1,260,000 | ¥2,445,500 | 1,185,500 | 194.09% |
ブラックシェルという要素は、現在人気要素という印象があまりないと感じますが、プラチナエルプリに採用されたということを考慮すると、ロレックス自身にとっては「スペシャル」であるということなのだと思います。
そういった意味では、時計ファンからの評価がもっと高くなっても良いと感じるわけですが、それは中古水準からも同様な印象を感じます。
2012年と現在の比較では、この116518NRは約118万円という上昇額となっているため、一見すると優秀ですが、2012年との比較ではこのような価格差は珍しくなく、ましてデイトナレベルの人気モデルとなると、なおさら珍しくありません。
また、他のデイトナとの価格差という観点では、2012年も現在もそれほど優秀とは感じません。
実際、2019年現在の水準では、通常文字盤の116518に対してこの116518NRは約19.5万円の差しかないのです。
ロレックスは、レア文字盤と通常文字盤との価格差がかなり大きくなるとなることもありますが、通常文字盤とシェル文字盤という定価自体が異なる比較として、この19.5万円という差は、かなり評価されていないという印象になります。
ですから、この116518NRは、
という点から、今なかなか興味深い1本だと感じるのです。